2003 Fiscal Year Annual Research Report
関数方程式と差分方程式の解の大域的性質と相互関連の研究
Project/Area Number |
14540158
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60004446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
牛島 照夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10012410)
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
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Keywords | 周期線形微分方程式 / 線形差分方程式 / 周期写像 / 初期値問題 / 周期解 / 有界解 / 周期線形関数微分方程式 / フーリエ級数 |
Research Abstract |
周期的外力関数をもつ自励線形微分方程式の初期値を解の挙動に応じて分類することに成功した。すなわち有界解であるための初期値の条件や周期解であるための初期値の条件を代数的に表した。そのために次のような差分的方法を持ちいた。問題の微分方程式の解の初期値に対して、1周期後の解の値を対応される写像(解による周期写像)を考えるとそれは相空間上の線形アファイン写像になる。初期に対してこの写像を繰り返し適用してできる相空間上の無限ベクトル列の様子がわかれば、周期的な外力項をもつ方程式の解の様子がわかる。微分方程式の解を連続時間で調べる代りに、周期時間間隔ごとの離散時間で解の様子を調べればよい。この視点にたって、生成される無限ベクトル列を計算し、その一般項を自励線形微分方程式の係数行列の固有値と、初期値ベクトルを用いて次のような形式であらわすことに成功した。第n項は固有値の指数関数のn乗と、nに異存しない多項式のnにおける値であらわした。多項式の次数、係数は初期値と周期外力項の周期積分を用いて表される。この特徴のゆえに方程式の解の有界性や周期性を、初期値と外力関数の周期積分との関係条件によって完全に決定することができた。この結果は初等的基本的であり、長い歴史をもつ微分方程式の研究では既知のものではないかと疑ったが、投稿した雑誌の査読者たちも独創性を認めている。これが研究課題と密接に関連した研究結果である。なおこの結果は一般的な線形差分方程式の場合に拡張され、微分方程式から構成される場合との相互関連も解明した。 また線形関数微分方程式の場合も相空間のスペクトル分解の方法により、不安定部分空間では常微分方程式に帰着され、本研究の結果を直ちに応用できた。また初期値と周期関数の周期積分との関係で周期解がきまることから、周期解があるための必要十分条件も外力項のフーリエ級数と方程式の特性値の関係で完全に記述できた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Murakami, T.Naito, Nguyen V.M.: "Massera's theorem for almost periodic solutions of functional differenti al equations"J.Mathematical Soc.Japan. 56. 247-268 (2004)
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[Publications] J.Liu, T.Naito, Nguyen V.M.: "Bounded and periodic solutions of infinite delay evolution equations"J.Math.Anal.Appl.. 286. 705-712 (2003)
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[Publications] J.Kato, T.Naito, J.S.Shin: "Asymptotic properties and initial values of solutions to periodic linear equations"数理解析研究所講究録. 1309. 100-107 (2003)
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[Publications] Ushijima T., Chiba F.: "A fundamental solution method for the reduced wave problem in a domain exterior to a disc"J.Computational and Appl.Math.. 152. 545-557 (2003)
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[Publications] Ushijima T., Chiba F.: "Error estimates for a fundamental solution method applied to reduced wave problem in a domain exterior to a disc"J.Computational and Applied Math.. 159. 137-148 (2003)
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[Publications] N.H.Mohamed, Kako T., Koyama D: "A mixed type finite element apporximation for radiation problems using fictitious damain method"J.Computational and Applied Math.. 152. 377-392 (2003)
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[Publications] Y.Hino, S.Murakami: "Almost automorphic solutions for abstract functional deifferential equations"J.Math.Anal.Appl.. 286. 741-752 (2003)
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[Publications] 鈴木麻美, 金子勝一, 山下洋司: "組織における学習への注意の配分モデルのおける重みの解析的推進法"日本経営システム学会誌. 19. 1-6 (2003)