2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540163
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 幸隆 富山大学, 理学部, 助教授 (80167949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 高士 富山大学, 理学部, 助教授 (40215273)
東川 和夫 富山大学, 理学部, 教授 (20018998)
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Keywords | 閉リーマン面 / ヤコビ多様体 / テータ定数 / 退化アーベル関数 / 代数的加法定理 |
Research Abstract |
種数2の場合の閉リーマン面の退化について、H.E.RauchとH.M.Farkasの研究を詳細に検討することから始めた。この場合には、1次元複素射影空間上の分岐点を六個もつ2重被覆面とみることができる。これらの分岐点のうちの三個を0、1、無限遠点にした場合(正規化した場合)はリーマン・テータ定数で分岐点を表現できることが知られている。その方法を正規化しない場合へ拡張するため、リーマン面とテータ関数についての基本的な事柄をこの観点から見直した。RauchとFarkasの方法は完全に把握できたが、残念ながら、それを正規化しない場合に適用可能な形へ改良するまでには至らなかった。引き続きこの方法の改良を探究する予定である。 一方、コンパクトなリーマン面に対応するヤコビ多様体の極限から考える研究方向もある。こちらについてはヤコビ多様体上のアーベル関数体の極限を考えることも関数論的には興味深い。これに関連した問題として「代数的加法定理を許す有理型関数の決定」がある。Weierstrassは、それはアーベル関数か退化したアーベル関数であると述べていたが、その証明は今まで知られていないように思われる。また、退化したアーベル関数が何を意味するのか明確に述べられていない。当該研究課題の研究を遂行することにより、新たな視点を得ることができ、退化したアーベル関数を明確に述べ、Weierstrassの主張に結論を与えることができた。これについては現在結果をまとめている。その際、複素射影空間の中へ埋め込まれた複素リー群の閉リー部分群について得た新しい結果が重要な役割を果たした。
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Research Products
(1 results)