2002 Fiscal Year Annual Research Report
Perron-Frobenius作用素とフラクタルに関する研究
Project/Area Number |
14540189
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 真 日本大学, 文理学部, 教授 (60092532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山浦 義彦 日本大学, 文理学部, 助教授 (90255597)
福田 拓生 日本大学, 文理学部, 教授 (00009599)
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Keywords | Perron-Frobenius operator / フラクタル / ハウスドルフ次元 |
Research Abstract |
1.Low discrepancy列を構築する2次元写像を構成した。これは2次元写像の中で、特別に高い混合性をもつ変換を構成し、それから1次元の場合と同じようにvan der Corput列を構成すると、その列はlow discrepancyであることが2次元写像に対応するPerron-Frobenius作用素のスペクトルをFredholm行列式を用いて表現することによって証明した。これはMonte Carlo Methods and applicationsに掲載された。 2.力学系から作られるフラクタルのHausdorff次元を力学系の圧力によって表現することに成功した。現在投稿中である。平衡状態を記述するGibbs測度を表現すると、フラクタルのHausdorff次元は圧力が0になる逆温度に等しいことがMarkov型の力学系の場合に、1次元写像に対応するPerron-Frobenius作用素のスペクトルを用いて証明することができる。一般の1次元力学系の場合にはPerron-Frobenius作用素のスペクトルを力学的ゼータ関数により表現することで、Markov型の力学系で近似することができる。このことから一般の場合にも同じことが証明できる。 3.1次元の力学系にtree型のフラクタルを対応させる方法を考案した。この対応を考慮に入れるとtreeのHausdorff次元を対応する1次元力学系のPerron-Frobenius作用素のスペクトルに対応するFredholm行列によって、表現できることを示した。この論文はチリのサンチャゴ大学で開かれた国際シンポジウムで発表を行った、それと同時に現在論文を執筆中である。 4.自由境界問題と近似理論について山浦氏が2つの論文を発表した。 5.特異点に関する論文Local topological structure of singularity subsetsを福田氏はOxford Q.J.Math.に投稿中で2003年度に掲載予定である.
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[Publications] Makoto Mori: "Construction of two dimensional low discrepancy sequences"Monte Carlo methods and Applications. 8. 159-170 (2002)
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[Publications] Yoshihiko Yamaura: "自由境界問題とその近似について"日本応用数理学会. (電子ジャーナル). (2002)
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[Publications] Yoshihiko Yamaura: "汎関数の近時理論の適用によるリプシッツ連続な最小化関数の構成"京都大学数理解析研究所考究録. 1254. 23-31 (2002)
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[Publications] 森 真, 田中 ゆかり: "なっとくする統計"講談社. 245 (2003)