2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 和之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60004397)
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Keywords | C^*-環 / 弱コンパクト作用素 / 絶対連続 / 正値線形汎関数 / Grothendieck空間 / ベクトル値測度 / 単調完備C^*-環 |
Research Abstract |
本年度はσ-単調完備C^*-環上の非可換ベクトル値測度の研究に関して次の事柄を考察した. バナッハ空間Xの共役空間X^*が次の事柄を満たす時XはGrothendieck空間であるという.X^*における点列{φ_n}が0に弱_<*->収束する時はいつも{φ_n}は弱収束する.Grothendieckは可換σ-単調完備C^*-環はGrothendieck空間であることを示した.平成14年度任意のσ-単調完備C^*-環はGrothendieck空間であることを報告した. ベクトル値測度の非可換版として最も自然なものはC^*-環からバナッハ空間への弱コンパクト作用素である.本年度は論文[2]で、上の結果をベクトル値測度に拡張して次を示した: 定理βをσ-単調完備C^*-環としXをバナッハ空間とする.{T_n}をβからXへの弱コンパクト作用素の列とする.βの任意の射影pに対して{T_n(p)}がXのノルムで収束すれば、βからXへの弱コンパクト作用素Tが存在して,全てのx∈β^<**>に対して‖T^<**>_nx-T^<**>x‖→0(n→∞)が成立する. BrooksとJewett等の古典的結果によれば、次が成り立つ: σ族Σ上で定義されたベクトル値加法的集合関数列κが与えられていて相対コンパクトであるとしμをΣ上の正値有限加法的測度とする.κの各元がμに関して絶対連続であればκのベクトル値測度はμに関して一様に絶対連続である. 昨年度の報告(論文[1])でもこの非可換版を考察したが、上の定理を用いて、この問題を次のように完全に解決した: 定理βを単位元をもつσ-単調完備C^*-環とし、Xをバナッハ空間とする.{T_n}をβからXへの弱コンパクト作用素の列とし、βの各射影eに対し、{T_n(e)}がXのノルムで収束するとする.μをβ上の正値線形汎関数とし、各T_nがμに関して強絶対連続であれば、任意の正数εに対して、正数δが存在して、β∋aが‖a‖【less than or equal】1且つμ(a^*a+aa^*)^<1/2><δをみたせばいつも‖T_na‖<ε(n=1,2,【triple bond】)が成り立つ.
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Research Products
(2 results)