2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540198
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 滋 茨城大学, 理学部, 教授 (90175654)
尾畑 伸明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
浦川 肇 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022679)
植田 好道 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00314724)
|
Keywords | 作用素 / 作用素環 / 自由確率論 / ランダム行列 / 自由エントロピー / 大偏差原理 / 輸送コスト不等式 / ユニタリ不変ノルム |
Research Abstract |
Hilbert空間上の作用素論・作用素環論およびそれらの非可換確率論への応用を研究した.近年D.Voiculescuが開拓した自由確率論は,非可換確率論の一つとして大きな発展を遂げている.これに関連して,ランダム行列に対する大偏差原理や自由相対エントロピーについて研究した.自由積の手法を用いて,(補間型)自由群環上の自己同型について研究した.また,作用素の平均に対するノルム不等式について研究し,作用素の算術・幾何平均ノルム不等式を拡張した一連の不等式を示した.最近の成果として,(1)植田好道氏との共同研究で,自由積の手法を用いて,(補間型)自由群環上にaperiodicな自己同型が連続無限個存在することをて示し,その接合積の性質を解明した.さらに,自由積作用と自由シフト作用の双対的な関係を明らかにした. (2)幸崎秀樹氏との共同研究で,2重積分変換の理論とシューアmultiplierの方法を用いて,作用素のユニタリ不変ノルムに関する算術-幾何平均不等式を精密化したノルム不等式を与えた.さらに,算術平均,対数平均,幾何平均,調和平均およびそれらを自然に補間する各種の平均を比較する多くのノルム不等式を求めた. (3)X.Zhan氏との共同研究で,半正定値行列に対し,ユニタリ不変ノルムの劣乗法性と劣加法性を比較する不等式を示した。また,いくつかの関連するノルム不等式を与えた. (4)D.Petz氏,植田好道氏との共同研究で,R上の確率測度に対するTalagrandの輸送コスト不等式のBiane-Voiculescuによる自由確率アナロジーを,ランダム行列近似の方法を用いて,より一般な設定で再証明した.さらに,T上の確率測度に対しても,輸送コスト不等式の同様な自由確率アナロジーを与えた.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] F.Hiai: "Automorphisms of free product-type and their crossed-products"J.Operator Theory. 50. 119-130 (2003)
-
[Publications] F.Hiai: "q-deformed Araki-Woods algebras"Operator Algebras and Mathematical Physics. 169-202 (2003)
-
[Publications] F.Hiai: "Submultiplicativity vs subadditivity for unitarily invariant norms"Linear Algebra Appl.. 377. 155-164 (2004)
-
[Publications] F.Hiai: "Operator means and their norms"Advanced Studies in Pure Mathematics. 38. 271-284 (2004)
-
[Publications] F.Hiai: "Free transportation cost inequalities via random matrix approximation"Probability Theory and Related Fields. (発表予定).
-
[Publications] F.Hiai: "Means of Hilbert Space Operators (Lecture Notes in Math.1820)"Springer-Verlag. 148 (2003)