2002 Fiscal Year Annual Research Report
多次元半空間における粘性気体方程式の時間大域解の漸近挙動について
Project/Area Number |
14540200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西畑 伸也 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (80279299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 達雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20294879)
西原 健二 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (60141876)
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Keywords | 粘性保存則 / 漸近安定性 / 圧縮性ナビエストークス方程式 / 非線形波動 / 衝撃波 / 進行波 / 希薄波 / 境界層 |
Research Abstract |
本研究は多次元空間での粘性気体のモデル方程式(粘性保存則)における非線形波の漸近安定性の解析を目的としている。空間一次元かつ境界壁がない全空間に関しては、1960年のIl'in-Oleinikの先駆的な結果以来、多くの結果が得られている。一方、境界壁をもつ一次元半空間では1990年代の末期から分担者である西原等により研究が始まったばかりである。また、空間多次元上での粘性保存則の研究はGoodmann等により、1980年代に幾つかの結果が得られている。本年の研究としては、先ずこれらの結果を統合して空間多次元単独粘性保存則の研究を計画していた。 幸い本年の研究計画は十分に達成されたと信じる。境界条件と無限遠方での条件との関係で、解の漸近状態は、空間一次元の場合と同様に、希薄波、定常波、及びそれらの重ね合わせ波に分類される事が分かった。さらに、その各々のケースに対して、初期値の属する関数空間に依存する詳細な漸近レートを得た。以上の研究結果は、三本の論文に分けて発表する予定である。内、1本は現在投稿中であり、2本は執筆中である。 以上の単独方程式の結果をより物理的に意味のある方程式系に拡張する事を最終目標としていたが、その準備となる問題として分担者の1人(西原)は一次元粘性気体の方程式に対して次の結果を得た。圧縮性粘性流が一定圧力の大気と接しているとき,その流れは速度と密度の方程式系の自由境界条件を持つ初期値問題の解として捉えられる。その解の漸近状態は、境界での大気圧と無限遠方での速度及び密度の関係によって,希薄波または粘性衝撃波となる。この結果は、掲載受理され既にインターネット上で公表されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Nishibata: "Asymptotic stability of traveling waves to a certain discrete velocity model of the Boltzmann equation in the half space"SIAM J. Math. Anal.. 34. 555-572 (2002)
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[Publications] K.Nishihara, H.Zhao: "Convergence rates to viscous shock profile for general scalar viscous conservation laws with large initial disturbance"J. Math. Soc. Japan. 54. 447-466 (2002)
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[Publications] T.Pan, H.Liu, K.Nishihara: "Asymptotic behavior of a one-dimensional compressible viscous gas with free boundary"SIAM J. Math. Anal.. 34. 273-291 (2002)
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[Publications] T.Iguchi, S.Kawashima: "On space-time decay properties of solutions to hyperbolic-elliptic coupled systems"Hiroshima Math. J.. 32・2. 229-308 (2002)
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[Publications] T.Iguchi: "On steady surface waves over a periodic bottom : relations between the pattern of imperfect bifurcation and the shape of the bottom"Wave Motion. 38・3. 219-239 (2003)
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[Publications] T.Iguchi, P.LeFloch: "Existence theory for hyperbolic systems of conservation laws with general flux-functions"Arch. Ration. Mech. Anal.. (発表予定).