2003 Fiscal Year Annual Research Report
主要部が急速な増大度を持つ準線形楕円型方程式の研究
Project/Area Number |
14540211
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
成川 公昭 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60116639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢邉 正人 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (60346624)
松岡 隆 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (50127297)
村田 博 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (20033897)
深貝 暢良 徳島大学, 工学部, 助教授 (90175563)
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Keywords | 準線形楕円型方程式 / Orlicz-Sobolev空間 / 正値解 / mountain-pass solution / 非線形弾性方程式 / 変分方程式 |
Research Abstract |
昨年度行った主要部の増大度が多項式程度である場合の結果を基に、本年度は、多項式の増大度では与えられない主要部を持つ準線形楕円型方程式の解の構造についての研究をすすめた。具体的には、非線形弾性方程式、変形プラスチック方程式、一般ニュートン流の方程式を念頭に置き、それに対して適用可能なエネルギー汎関数を取り扱った。これらはいずれも、従来のSobolev空間では扱うことが不可能な汎関数であり、それぞれのエネルギー汎関数に付随したOrlicz-Sobolev空間上で考えなければならない。そのため、Orlicz-Sobolev空間の性質を詳しく解析するとともに、その空間上の汎関数の性質を研究した。それらの結果を基にして、パラメータ付きの方程式を全領域で考え、外力項がSobolev共役のN-関数の増大度を持つ場合に十分大きいパラメータに対し、正値解が存在することが証明された。考える領域が全領域であることと外力項のSobolev共役程度の増大度のために、Palais-Smale列のコンパクト性が失われるが、ふつうのp-ラプラシアンの場合と同じく、Orlicz-Sobolev空間上で与えたこれらのタイプの汎関数に対してもP.L.Lionsが与えたconcentration-compactnessの議論を適用し、local compactnessを示すことが可能となり、mountain-pass solutionを得ることができた。この結果は出版のため現在とりまとめ中である。 上述の本年度の結果は、十分大きいパラメータに対して解の存在を示したものであるが、p-ラプラシアンの結果からすべての正のパラメータに対し正値解が存在することが予想される。また、多重解の存在についても何の結果も得ていない。これらの問題を解決することが、次年度の研究の課題である。
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Research Products
(1 results)