2005 Fiscal Year Annual Research Report
原始銀河雲中での星形成の基礎物理過程と宇宙初期天体形成の理論的研究
Project/Area Number |
14540227
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西 亮一 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (80252419)
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Keywords | 銀河形成 / 星形成 / 原始ガス / 宇宙論 |
Research Abstract |
ビックバンで作られた原始ガス中で形成された宇宙初期天体について観測的検証へむけての研究を行った。第一世代星形成過程について調べ、第一世代星形成を特徴づけるものとして重要である水素分子輝線およびHD分子輝線について放射強度を定量的に見積もった。その結果、第一世代銀河のファーストコラップスに引き続いて形成される第一世代星では、通常の水素分子輝線による冷却が重要であるが、より大質量の銀河雲中での第一世代星形成過程や第一世代銀河でも次世代の星形成過程においては、HD分子輝線も重要になることがわかった。これは、水素分子形成の触媒となる電子が多いために水素分子が多量に存在し、その水素分子との交換反応によってHD分子が多量に形成されるためである。またLiH分子についても調べ、重要ではないことを明らかにした。また星形成の母体雲、つまり原始銀河雲とその収縮・分裂過程によって作られた星形成コアの前段階と考えられるフィラメント状のガス雲、についても評価し、宇宙初期天体形成過程で放出される分子輝線について総合的に評価を行った。そして宇宙初期天体形成過程において、可能な星形成率を評価し、次世代観測装置による観測可能性について議論した。特に、中間赤外線領域での感度が重要であり、大口径冷却望遠鏡であるSPICA(Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics)に対する期待は大きい。宇宙初期天体形成過程で原始ガスからの爆発的星形成があれば、SPICAによって検証できる可能性は十分あることがわかった。
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Research Products
(1 results)