2002 Fiscal Year Annual Research Report
3次元多重格子法を用いた磁気雲から星への進化の研究
Project/Area Number |
14540233
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
富阪 幸治 国立天文台, 理論天文学研究系, 教授 (70183879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 講師 (60308004)
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Keywords | 星形成 / 星間磁場 / 連星・多重星 / 数値計算法 |
Research Abstract |
星間磁気雲が重力収縮し星形成に至る過程を3次元磁気流体力学多重格子法を用いて詳細に研究した。重力収縮過程では1/1000以下のスケールの原始星コアが形成される。解適合格子の一種である多重格子法を用いることにより、はじめてこの大きなダイナミック・レンジにわたって正確に数値シミュレーションを行うことができた。 平衡状態にある軸対称な星間雲に、軸対称と非軸対称な揺らぎを加えその時間発展を追跡したところ、(1)軸対称揺らぎが成長し断熱的な原始星コアが形成される前の等温的な進化段階で、収縮するディスクが形成されるが、それが、およそ軸比1:4の平たいディスクとなって初めて、非軸対称の揺らぎが成長し、棒(バー)状の構造を形成する。 (2)軸比が1:4に満たない厚いデイスクのままでは、非軸対称の揺らぎは成長しない。 (3)原始星コアは以下の場合に分裂することがわかった。 (a)(1)によって形成された棒(バー)状の構造が原始星コア形成後2っまたはそれ以上に分裂する(バー分裂モード)。 (b)軸比1:4の平たいディスクが形成されたが、等温的な進化段階では非軸対称の揺らぎが成長し切れなかった場合は、原始星コア形成後に平たいディスクがリングを経て分裂する(リング分裂モード)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tomisaka, Tomisaka: "Collapse of Rotating Magnetized Cloud Cores and Mass Outflows"The Astrophysical Journal. 575. 306-326 (2002)
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[Publications] Machida, Masahiro N., Tomisaka, Kohji, Matsumoto, Tomoaki: "Binary Star Formation and Mass Outflows-MHD Nested Grid Solution"Proceedings of IAU Colloquium #191 : The Environments and Evolution of Double and Multiple Stars. (印刷中). (2003)
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[Publications] Matsumoto, Tomoaki ; Hanawa, Tomoyuki: "A Fast Algorithm for Solving the Poisson Equation on a Nested Grid"The Astrophysical Journal. 583. 296-307 (2003)
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[Publications] Saigo, Kazuya, Hanawa, Tomoyuki, Matsumoto, Tomoaki: "Instability of a Protoplanetary Disk in Its Main Accretion Phase"The Astrophysical Journal. 581. 681-693 (2002)