2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギーガンマ線空気シャワー特性と検出可能性の研究
Project/Area Number |
14540242
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
井上 直也 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40168456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 節雄 弘前大学, 理工学部, 教授 (30013395)
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / 宇宙線化学組成 / 宇宙ガンマ線 / 空気シャワーシミュレーション |
Research Abstract |
1、ガンマ線空気シャワーシミュレーションとして、シャワー発達にGeiser-Hillas関数を用いて、1次元シミュレーションコードの作成を行った。化学組成としてガンマ線に加えて陽子-鉄の異なる質量数を考慮し、大気原子核との相互作用断面積、シャワー最大発達深さについて、最新の加速器データの外挿値を仮定した。ガンマ線に関してはgeomagnetic cascading、LPM効果過程を考慮した。 2、ガンマ線空気シャワー発達曲線においては、ハドロン空気シャワー発達曲線に比べて、10^<19>eV以上でその宇宙線到来方向・一次ガンマ線エネルギー依存性が顕著にあらわれ、両者間の差異を定量的に明らかにし、ガンマ線検出の可能性を指摘した。(論文投稿中)。 3、超高エネルギーガンマ線の太陽近傍磁場中での振る舞いについて、1.を元にして検討を行った。地球方向に向かうガンマ線が太陽半径の3倍以内の場所を通過する場合、磁場との相互作用を引き起こしガンマ線群が生成され、それらが同時に地球大気に入射し、多数のガンマ線空気シャワーが形成されること、また建設段階のAUGER実験により10年間の観測から5例ほどの事例が観測されることを明らかにした(論文発表済み)。 4、衛星軌道上からの宇宙線観測に対するR&Dとして、シャワー中の荷電粒子による大気シンチレーション・、チェレンコフ光の生成ルーチンを1.に加えて導入し、それら光子のレーリー散乱の寄与を考慮したコードの作成を行った。口径2m望遠鏡では10^<19.5>eV以上の宇宙線について観測可能であることを明らかにし、その測定から得られる一次宇宙線エネルギーの決定精度(16%)、到来方向決定精度(0.8度)、シャワー発達最大深さ決定精度(Xmax:30g/cm^2)を得るとともに、チェレンコフ光の地上反射光が全光子数の50%にも及び、その観測可能性を指摘した。また、チェレンコフ光成分がXmax推定に大きな誤差を与えることを見いだした。
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Research Products
(1 results)