2004 Fiscal Year Annual Research Report
軽いエキゾチック原子核の構造と反応における多粒子相関の研究
Project/Area Number |
14540249
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
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Keywords | ハロー原子核 / ブレークアップ / 偏極ポテンシャル / アイコナール近似 / 炭素アイソトープ / トランスコリレーティッド法 / ハイパー核 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画について、以下のような知見と得た。 1.^<16>C原子核の2^+励起状態から基底状態への電気四重極遷移は非常に小さいことが最近の実験で明らかにされた。^<16>Cは^<14>C+n+nの三体構造によってよく記述されるという仮定にたって分析した。2中性子はスピンシングレット状態にあり、その間には中心力が働くと仮定した。^<14>Cと中性子間に働くパウリ効果を考慮した。その結果、電気四重極遷移確率は小さくなるが、実験値の2倍程度にしかならなかった。今後、テンソル力やスピントリプレット状態の効果を考慮した分析を進めたい。 2.1中性子ハロー核のブレークアップ反応をアイコナール近似で取り扱う計算を進展させた。特に、標的核が鉛のように重い場合にクーロン力によるブレークアップが本質的に重要であるが、アイコナール近似をそのまま適用することはできない。クーロン励起の摂動論と結び合わせてこの課題を克服し、^<11>Beや^<19>Cの実験データを解析した結果、実験データを再現でき、ハロー核の連続状態における電気双極子強度の知見を引き出すことが可能になった。次の課題として、2中性子ハロー核の場合に理論を拡張することを検討している。 3.核力に含まれる短距離の強い斥力を殻模型やハートリーフォック法では正当に取り込めない。そこでは短距離相関が処理されないからである。この課題に応える一つの方法として、Jastrow型の波動関数から出発し、トランスコリレーティッド法を応用して、短距離斥力を消去する考えを提案した。重陽子や2個の希ガス系でその有効性を確かめた。このようにして得られた非エルミートの有効相互作用を有限系に適用することは今後の興味深い課題である。また、強いテンソル力を処理することができないかは今後の挑戦的な課題である。
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Research Products
(5 results)