2003 Fiscal Year Annual Research Report
二重ベータ崩壊実験用チェンバーガス中の極微少ラドン・トロン濃度測定
Project/Area Number |
14540270
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小林 茂治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隅 秀晃 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (70176882)
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Keywords | 静電捕集型測定機 / ラドン・トロン / 湿度計 / 露点計 / GEM / 短寿命核種 / マントル / シンチレーションファイバー / PET |
Research Abstract |
(1)湿度に対する測定器の感度依存性 昨年度の研究によって、測定器のテストに最適のラドン源とトロン源を見いだした。また、湿気やアルコール蒸気に対する静電捕集型測定器の感度についても定性的振舞いを捉えて、その理論的説明を試みた(NorfolkでのIEEE Nuclear Science Symposiumで発表)。しかし、内容的にはより高統計のデータが望ましく、そのための湿度計、露点計の整備から再出発することになった。特に、露点計は高額のため入手が困難であり、これを自作する運びとなった。ラドン・トロンの静電捕集感度は低湿度において非常に高く、既存のデータが限界感度を与えているかどうかが興味とするところである。これを使って、水蒸気のみならずアルコール蒸気に対する感度も調べる予定である。 (2)GEM(Gas Electron Multiplier)を用いたチェンバーガス中の微量放射性不純物の定量 近年、ドリフトチェンバーにおける電離ガス増幅で、従来の細線による電位勾配を用いず、絶縁体のフィルムに穿たれた微細な穴の部分に高い電場を設けてこれを起こせしめる方法が実用になりつつある。このとき、ヘリウム中の短寿命核種が測定できると期待される。この測定器(GEM)については既にフィルムが入手できており、近々試作器を完成させてテストする予定である。なお、従来型のドリフトチェンバーについては、マントルを用いてトロンの検出を試みたが、明確な波高分布は得られなかった。 その他、科研費の研究課題とは異なるが、以下の研究テーマも関連において実施している。 ○シンチレーションファイバーによるレーザー加速ビームの強度分布測定 ○PETにおける画像分解能の向上に関する研究
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Takahashi: "R&D of the Beam Survey System for the Laser-induced Acceleration Study"JAERI-Conf. in press. (2004)
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[Publications] L.Saha: "Study of DOI Resolution and Imaging Resolution of a PET Device"Nuclear Instrument and Methods in Physical Research. A in press. (2004)
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[Publications] H.Ohsumi: "Initial Runs of the NEMO 3 Experiment"Nuclear Physics. A721. 529c-532c (2003)
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[Publications] R.Amold: "Possible Background Reduction in Double Beta Decay Experiments"Nuclear Instrument and Methods in Physical Research. A503. 649-657 (2003)