KEK陽子シンクロトロンにおける静止K^+によるK中間子崩壊の研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14540285
• Research Institution: The High Energy Accelerator Research Organization
• Principal Investigator: 今里 純 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40107686)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浅野 侑三 筑波大学, 物理工学系, 教授 (80100808) ; 五十嵐 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50311121) ; 澤田 真也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70311123) ; 清水 俊 大阪大学, 理学系, 助手 (60294146) ; 青木 正治 大阪大学, 理学系, 助教授 (80290849)
• Keywords: K中間子崩壊 / Kμ3崩壊 / KEK陽子加速器 / E246実験 / 時間反転不変性の破れ / CP対称性の破れ / E470実験 / 直接放射

Research Abstract

KEK陽子シシクロトロンの共同利用実験E246では国際協力により、K^+□π^0μ^+ν崩壊におけるミュオンの横偏極の精密測定を行っている。この量は時間反転不変性を破る量であり、素粒子物理学におけるC□対称性の破れと関係し、重要な物理量となっている。これにより、標準模型以外のいわゆる"新しい物理"(例えばMulti-Higgs模型、Leptoquark模型、ある種のSUSY模型など)からのCPの破れを探索することができる。E246実験ではビームタイムによるデータ収集はすでに終えていたが、今年度はデータ解析を進め、全データの解析を終了し、最終的な結果を出すことを行った。解析では従来の"積分法"を改め、より精度の高い"微分法"の手法を確立し、これにより以前の解析も再解析することを行った。さらに、KEKとロシアのINR研究所とで独立に実施された解析の結果を結合することを行い、横偏極P_Tとその物理パラメターImξとの対しそれぞれ最終結果を得た。また、系統誤差の評価を慎重に行い、
P_T=-0.0018±0.0023(stat)±0.0011(syst)
Imξ=-0.0055±0,0073(stat)±0.0036(syst)
の結果を得た。この他、E470実験で収集されたデータの解析を進めた。この実験の主モードであるK^+□π^+π^0γでは抽出された約4000の事象のスペクトル解析から光子直接放射の分岐比を□^^〜_1□ □^^〜□__<..>□□□□__. ±1.9(syst))x10^<-6>と決定した。また、副産物チャネルのK^+□π^0π^0□^+ν崩壊187事象を抽出し、その崩壊幅を(1.85±0.13(□□□□)±0.24□□□□__<..>)x10^<-3> s^<-1>と決定した。

Research Products

• [Publications] M.A.Aliev et al.: "Measurement of direct photon emission in K^+□□□π^+π^0γ□□□□□□ using"Physics Letters B. 554. 7-14 (2003)
• [Publications] J.A.Macdonald et al.: "Apparatus for a T-violating muon polarization in stopped-kaon decay"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 506. 60-91 (2003)