2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造物質中高密度電子励起状態の高輝度発光性とそのダイナミクス
Project/Area Number |
14540308
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
赤井 一郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20212392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐘本 勝一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40336756)
唐沢 力 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90106336)
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Keywords | ナノ構造 / 励起子 / 高輝度発光 / 光励起状態のダイナミクス / 高密度励起 / 電子励起状態 / 発光性有機色素 / 物性物理学 |
Research Abstract |
1.光カロリメトリー分光による高輝度発光性状態の発光量子効率の測定 光カロリメトリー分光法により、高輝度有機EL複合ナノ分子、擬二次元導電性高分子の高輝度発光状態の発光量子効率を決定した。また、樹脂様巨大ナノ分子においても光エネルギー伝達量子効率の温度依存性を評価し、分子振動の静寂化に伴い効率が低下することを見出した。 2.多孔質媒質中半導体ナノ構造の構造評価と高輝度発光性 金属ヨウ化物半導体を多孔質ガラスやポリマー中に埋め込み、その構造と光学応答を調べた。その結果、ナノ構造化することにより励起子遷移エネルギーは変化し、高密度励起において、多孔質媒質との相互作用により、顕著な高密度効果が発現することを明らかにした。 3.自然形成擬二次元高密度励起子の空間的挙動 層状半導体で特徴的に現れる自然形成擬二次元ナノ構造に束縛された励起子の高密度励起下における空間的挙動に注目した。高密度励起すると、浅い局在状態が飽和することにより、空間的広がりが顕著になり、運動量空間における励起子間散乱が、その空間的挙動を決定付けていることを明らかにした。 4.半導体ナノ量子構造中の高密度励起子の空間的挙動 エネルギー勾配を有するGaAs量子井戸中の高密度励起子状態と、CdTe量子点中の励起子状態に注目した。GaAs量子井戸中の励起子では、高輝度発光の励起強度依存性に励起子の多体効果が現れた。一方、CdTe量子点では、熱活性型の量子点間の励起子移動が、緩和のダイナミクスにおいて重要であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] I.Akai: "Photocalorimetric Study on Nonradiative Relaxation Processes and Photoluminescence Quantum Yields in Alq_3 Single Crystals"J.Lumin.. (In press). (2004)
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[Publications] H.Xie: "Luminescence Processes of Hexanuclear Methylpyridinethiolato-Copper(I) Crystals"J.Lumin.. (In press). (2004)
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[Publications] V.F.Agekyan: "Morphology and Optical Spectra of Metal Iodata Microcrystals in Porous Matrices"Phys.Solid State. 45. 1170-1176 (2003)
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[Publications] A.Tanji: "Dynamical Processes of High-Density Excitons in GaSe Crystals"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 2646-2655 (2003)