2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ag(001)単結晶表面上の2次元Ag-Na合金のX線精密構造物性
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14540315
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
坂田 修身 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用促進研究部門I・表面構造チーム, 主幹研究員 (40215629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 康彦
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Keywords | 放射線X線 / Ag(001) / 結晶表面構造解析 / 表面構造解析 / 表面清浄化 / X線散乱強度 / スパッタリング / 表面ドメインサイズ |
Research Abstract |
結晶表面吸着系のX線構造解析では、吸着種を蒸着する前の清浄でかつ表面ドメインサイズの十分大きい結晶を作成することが出発点であり、かつ、重要なキーである。今年度は、可能な限りベストなAg(001)表面を作成するため、試料作成のその場で低速電子線回折(LEED)を用いて定量的な評価をし、その評価の妥当性を放射光X線散乱測定によって調べる方法の確立をめざし、実現した。Ag(001)表面から得られたLEED像におけるスポットの強度を位置の関数としてまず記録した。そのスポットサイズを隣り同士のスポット距離で規格化したものをスポットのシャープネスSと定義した。そのS値が小さいほどLEEDスポットはシャープになる。それに対応し試料表面はより平坦になり、より大きなドメインになると推測した。Ar^+スパッタリングと試料加熱を40回操り返した。繰り返すたびに、試料表面の加熱温度を高くした。スパッタリングの条件としてはAr^+の分圧は10^<-3>Pa、加速電圧は-500eVに設定した。9個の異なる試料加熱温度に関してスポツトサイズを測定した。LEEDスポットのSは表面加熱温度の2次放物線関数でフィットできた。加熱温度が731Kのとき、Sは最小になり、スポットは最もシャープになった。引き続き、(11L)ロッドの各Lにおいて、試料を水平軸の周りに回転してX線散乱強度を記録した。加熱温度731Kで処理した試料の表面ドメインサイズは80nmであった。一方、600Kで処理した表面の場合、5nmであった。このことから、清浄で、十分大きい結晶表面を作成することに成功したと考えた。さらに、積分強度をL値の関数としてプロットした。(11.5)から(112.5)に見える特徴的な形状は試料表面が清浄化されたことを意味する。とくに、禁制反射(112)の弱い強度変調を観察できた。(ここで、(11L)は反射の指数を示す。)
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Research Products
(1 results)