2002 Fiscal Year Annual Research Report
URu2Si2,Upt3で現われる異常磁性と特異超伝導の高圧NMRによる解明
Project/Area Number |
14540344
|
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小原 孝夫 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70107986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 光一 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20203440)
|
Keywords | 5f電子系 / 圧力誘起超伝導 / 非BCS機構 / NMR / NQR / 隠れた秩序変数 |
Research Abstract |
今年度は、URu_2Si_2の磁気モーメントに質する臨界圧以上でSiNMR信号のスペクトラムと核磁気緩和率の温度変化を測定し、J.of Phys.,Cond.Mat.に投稿した(現在、印刷中)。主な結果は、[1]臨界圧1.5GPa以上では、非磁性領域は消失しネール点の上昇にともないUは約0.3μBの磁気モーメントをもってC軸に平行にそろい、一様な反強磁性秩序が出来ていることがわかった。興味深いことに、加圧とともに超伝導転移温度は下降しついに臨界圧1.5GPa以上では消失する。[2]核磁気緩和率では、測定値まで含めて加圧値や2種類のSiの領域にあまり依存せず、しかもほとんど同じ温度変化が見られた。現在我々が使用中の高圧セルは、使用材料から加圧値が1.8GPa位が実用的な限界とされているので、さらに2.5〜3GPa用の高圧測定には、よりよい材料試験値をもつNi-Cr-Alを取り入れた高圧セルが必要で、それを設計・発注した。年度後半は、UPt_3の超伝導状態(特にA相)での圧力によるNMR信号に対する応答を見ようとしたが、加圧によるPt信号の激減のためか信号が観測出来ず実験がうまくいかなかった。さらに約0.5GPaの圧力下では、Uモーメントのゆらぎが抑えられることになり中性子実験から云われている「磁性」は消失するので、圧力下での^<195>PtNMR実験は常伝導・超伝導温度領域を通して重要である。そこでいままでの試料で圧力下でのPtNMR実験を試みたが、これもうまくいかなかった。信号強度を上げるため濃縮^<195>Ptの発注をしたが、あいにく在庫がなく、現在外国からの試料の入手待ちの状態である。そのあいだに、濃縮^<73>Geが入手出来、現在濃縮Geを用いたUGe_2の試料作成と磁化測定をしており、良質試料ができれば、^<73>GeNMR信号をさがす計画である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Y.Kohori, Y.Yamato, Y.Iwamoto, T.Kohara et al.: "NMR and NQR studies of superconducting CeTIn5"Physica B. 312-313. 126-128 (2002)
-
[Publications] K.Matsuda, Y.Kohori, T.Kohara et al.: "29Si NMR study of URu2Si2 under pressure"Physica B. 312-313. 504-505 (2002)
-
[Publications] H.Amitsuka, M.Yokoyama, T.Kohara et al.: "Hidden order and weak antiferromagnetism in URu2Si2"Physica B. 312-313. 390-396 (2002)
-
[Publications] T.Kohara: "New Aspects on URu2Si2 and CeTIn5 (T=Rh, Ir, Co) Observed by High Pressure NMR and NQR"PRAMANA (Indian Academy of Sciences). 58. 755-760 (2002)
-
[Publications] K.Matsuda, Y.Kohori, T.Kohara et al.: "Apearence of homogeneous antiferromagnetism in URu2Si2 under high pressure ; A 29Si NMR study"J. of Phys., Cond.Mat.. (in press).