2005 Fiscal Year Annual Research Report
過冷却コロイド液体およびコロイドガラス転移の統計物理学的研究
Project/Area Number |
14540348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳山 道夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40175477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 弥生 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (20301814)
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Keywords | ガラス転移 / 過冷却液体 / 平均二乗変位の対数成長則 / コロイド分散系 / 原子・分子系 / 非線形揺らぎ / 非発散性 / 普遍性 |
Research Abstract |
1.ガラス転移点近傍での普遍的法則の研究 徳山は、コロイド分散系のみならず、原子・分子系のガラス形成物質一般に於いて成り立つ、それぞれの系に特有の、平均二乗変位に対する非線形分子場方程式を導き、体系のメカニズムに依存しない分子場理論を提案した.二種類のコロイド分散系(中性剛体球コロイド系、磁性コロイド系)の実験データおよび二種類の原子・分子系(レナード・ジョンズ液体、剛体球流体)の計算機シミュレーションのデータの分子場理論による統一的観点からの分析の下に、次の新しい普遍性・類似性を見出した. (1)異なる系における自由長(或は、自由体積)のコントロールパラメータ依存性における類似性の存在. (2)長時間拡散係数のガラス転移点での非特異性. (3)α、β緩和時間などの特性時間のガラス転移点での非発散性. (4)過冷却点の存在. (5)β段階での平均二乗変位の対数的成長. 剛体球流体における、上記の普遍性は当研究所に設置されているスーパーコンピュータを用いた大規模な計算機実験により検証された. 2.国際会議の開催 徳山は、過冷却液体のダイナミクスおよびガラス転移現象の解明の為に、この分野で活躍する研究者121名(国外34名、14カ国)を仙台に招待し、第3回複雑系国際ワークショップを11月16-18日に開催した.活発な研究討論や議論が集中的になされ、ガラス転移現象解明の為のこれからの国際共同研究の為の足掛りとなった.
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Research Products
(7 results)