2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14540350
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
飛田 和男 埼玉大学, 理学部, 教授 (20133704)
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Keywords | ランダム磁性体 / フラストレーション / ボンド交替 / 磁化プラトー / 密度行列繰り込み群 / ボンド演算子平均場近似 / 準周期磁性体 / 実空間繰り込み群 |
Research Abstract |
・フラストレートしたランダム1次元磁性体の磁化プラトー 戸塚は1次元量子スピン系の並進対称性の破れを伴う磁化プラトーはランダムネスに対し不安定であることを示した。この現象を数値的に検証するため、交替ボンドS=1/2反強磁性ジグザグハイゼンベルグ鎖の飽和磁化の半分(m=1/2)でのプラトーに対するランダムネスの効果を密度行列繰り込み群(DMRG)を用いて次の二通りの場合に調べた。 1.2種のジグザグボンド交替鎖の混合鎖 一様な場合にプラトーを示す2つのジグザグボンド交替鎖を混合すると、プラトーが消滅することを示した。一方、飽和磁化近傍にランダムネスに誘起される局在状態のため、小さなプラトーが現れることが分かった。 2.強い反強磁性ボンドを強磁性ボンドでランダムに置換したジグザグボンド交替鎖 ランダムネスによって誘起されるプラトーがある一方で、一様な系の非自明なプラトーは2つに分裂し、その位置を連続的に変えることが分かった。これらの振る舞いはクラスター描像によってよく理解できる。 ・網代らが測定した反強磁性交替ボンド鎖と一様鎖の混合系の磁化過程についてDMRGを用いて調べ、交替ボンドクラスターの空間相関の有無によって、基底状態が量子グリフィス相からランダムシングレット相に変化し、磁化過程も変化することを示した。また、上記の実験結果が交替ボンドクラスター同士の相関がないとして理解できることを示した。 ・磁化プラトー状態へのボンド演算子平均場近似法の応用 ボンド演算子平均場近似法を1次元ジグザグボンド交替鎖のm=1/2プラトー状態に適用し、利根川らによる相図を再現した。さらに、鎖間相互作用がプラトーを抑制することも示した。この結果は数値対角化の結果とも整合している。 ・1次元準周期反強磁性XXZモデルの実空間繰り込み群による研究 フィボナッチ反強磁性XXZモデルのついて、2種類の交換相互作用の違いが大きいときに、実空間繰り込み群を用いて再考し、DMRGやVidalらによる弱結合繰り込み群の結果も総合して、基底状態の相図を明らかにした。特に、等方的な場合について、新しいユニバーサリティを持つ相が基底状態になることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hida: "Ground State and Magnetization Process of the Mixture of Bond-Alternating and Uniform S=1/2 Antiferromagnetic Heisenberg Chains"Journal of the Physical Society of Japan. 72. 2627-2631 (2003)
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[Publications] K.Hida: "Magnetization Plateaux in Random Frustrated S=1/2 Heisenberg Chains"Journal of the Physical Society of Japan. 72. 911-915 (2003)
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[Publications] K.Hida: "Random Magnetism in S=1/2 Heisenberg Chains with Bond Alternation and Randomness on the Strong Bonds"Journal of the Physical Society of Japan. 72. 688-693 (2003)
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[Publications] W.Chen: "Ground State Phase Diagram of S=1 XXZ Chains with Uniaxial Single-Ion-Type Anisotropy"Physical Review B. 67. 104401-1-104401-7 (2003)