2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540355
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山下 護 三重大学, 工学部, 教授 (20249600)
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Keywords | ネマティック相 / Maier-Saupe模型 / 対称破り外場 / 相図 / 自己保持膜 / 反強誘電性液晶 / 薄い液晶セル / Potts模型 |
Research Abstract |
平成14年はスメクティック相を含めた液晶秩序形成を論じる計画であったが、研究遂行の中でネマティック-等方相転移における秩序パラメタとそれに共役な外場の一般的な考察から、スメクティック相を考慮するよりもむしろもっと一般的な2つの外場の組の中での相図を求めることの方が平行な壁にはさまれた体系の秩序形成を整理するのに重要であることが分かった。 1 ネマティック-等方相転移の秩序パラメタに共役な外場が正だけでなく負の値の場合も含めた相図を求めたが、特に外場の負の場合には3重臨界点が存在し、それを越えると相転移は2次転移に変ることが証明された。特に相図中の外場が負の部分に対してはplanar anchoringの壁の体系が応用され、十分薄い体系では相転移が1次転移から2次転移に変ることが明らかにされた。(Japanese-Italian workshopで発表され、プロシーディングとしてMol. Cryst. Liq. Cryst.に投稿中。) 2 続いて、2軸性の秩序パラメタに共役な外場も加えた空間での相図を求めた。この相図の対称性とPotts模型のものとの類似性を論じるとともに、薄い体系における壁面条件、planar, homeotropic, homogeneousおよびoblique anchoringsの効果はこの拡張された外場空間での相図上で整理されることを示した。(J.Phys. Soc. Jpn.に投稿中。) 3 次年度における研究展開の準備として表面張力および自己保持膜の調査も計画していたが、これについては既に研究を開始しており、バルクで1次相転移を示す反強誘電性液晶の自己保持膜の秩序形成について論文作成中である。 4 スメクティック相に対する外場の影響については大学院生を指導しつつ数値解析の段階である。
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