2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540362
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保 健 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30015862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃井 勉 筑波大学, 物理学系, 助手 (80292499)
戸塚 圭介 青山学院大学, 理工学部, 助手 (80291079)
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Keywords | 多体交換相互作用 / スカラーカイラリティー / 双対性 / ヘリウム3薄膜 / 梯子スピン系 / ストライプ融解相転移 / 3角格子スピン系 / 希薄磁性半導体 |
Research Abstract |
1)グラファイト上のヘリウム3薄膜の磁性を理解するために、三角格子上の4体スピン交換相互作用とハイゼンベルク相互作用を含む系について、古典近似を用いて基底状態の研究を行い、多くの新しい基底状態を見出した。このうちには、スカラーカイラル秩序とベクトルカイラル秩序を同時に持つ複雑な状態が存在する。また外部磁場中の基底状態相図を明らかにした。 2)4体相互作用を含むスピン梯子系を調べた。この系は、銅酸化物との対応からも興味がもたれている。我々はこの系にスピンとカイラリティーの双対性があり、4体相互作用を大きくするとカイラリティー自由度が強くなることを示した。また、スカラーカイラリティー秩序相の出現を厳密な基底状態とDMRG法により示した。 3)近年の高温超伝導体における不整合ストライプの観測に伴い不整合ストライプ構造の量子ゆらぎに興味が持たれている。二次元不整合量子ストライプ構造における量子ゆらぎと転移の効果を調べ、ストライプ間隔が大きいときにストライプ固体から新しい量子液体状態(ストライプ流体)へ量子融解することを示した。この量子融解転移は2次転移であり、3次元XY模型の転移と等価である。通常2+1次元の融解転移は1次転移であり、2次転移になるのは珍しい。 4)希薄磁性半導体におけるキャリアー誘起強磁性の起源について、簡単な模型に基づき、理論的研究を行った。その結果、磁性不純物による引力ポテンシャルとキャリアースピンと不純物スピン間の交換相互作用が協力的に働き、強磁性を強めていることが分かった。この理論により、II-VI型半導体にMnをドープした場合に較べ、III-V型半導体にMnをドープした場合に強い強磁性が発現することが説明できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kubo, T.Momoi: "Magnetic groundstate phase diagram of a multiple-spin exchange model on the triangular lattice"Physica C. (in press). (2003)
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[Publications] T.Momoi, T.Hikihara, M.Nakamura, X.Hu: "Scalar Chirality Ground States of Spin Ladders with Four-Spin Exchanges"Physica C. (in press). (2003)
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[Publications] T.Momoi: "Quantum Phase Transition in Striped Domain Walls"Physica C. (in press). (2003)
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[Publications] T.Hikihara, T.Momoi, X.Hu: "Spin-Chirality Duality in a Spin Ladder with Four-Spin Cyclic Exchange"Physical Review Letters. 90. 087204-1-087204-4 (2003)
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[Publications] T.Momoi: "Quantum Melting of Incommensurate Domain Walls in Two Dimensions"Physical Review B. 67. 014529-1-014529-10 (2003)
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[Publications] M.Takahashi, K.Kubo: "Mechanism of Carrier-induced ferromagnetism in magnetic semiconductors"Physical Review B. 66・15. 153202-1-153202-4 (2002)