2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540366
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
高野 健一 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (00197112)
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Keywords | 量子スピン系 / J_1-J_2模型 / ハイゼンベルク模型 / 非線形シグマ模型 / 無秩序状態 / 反強磁性秩序 / スピン・ギャップ / フラストレーション |
Research Abstract |
量子スピン系の無秩序状態はどのような条件のときに実現するのか.いろいろな無秩序状態はどのように異なるのか.無秩序状態からのスピン励起の種類と性質はどうか.これらの疑問に答えて,量子スピン系における無秩序状態の統一的な理解を得ることを目的として,非線形シグマ模型の方法を改良・発展させ,広い範囲の量子スピン系に適用できるように研究を開始した. まず,従来の1次元と2次元の場合の非線形シグマ模型の方法を分析して再検討を行った.この方法の適用限界と拡張の端緒を明確にするためである.1次元量子スピン系に対する非線形シグマ模型に関しては,すでに著者による改良と一般化がなされている.しかし,それでもいくつかの制限が付いていたが,これをどの程度ゆるめることができるか,あるいは撤廃することができるかを検討した.また,より一般的な1次元系への拡張可能性も検討した. 2次元量子スピン系に関しては,旧来の非線形シグマ模型の手法しかなかったが,これをを詳しく分析して,問題点を明確にした.これより具体的な改良点を見いだして,新しい2次元の非線形シグマ模型の方法の定式化が可能であるという結論を得た.具体的な改良と定式化は,1次元よりも2次元の非線形シグマ模型の方法に関して先行して実行した.この定式化によってフラストレーションとプラケット型のひずみを同時に考慮して,両者があるときの相図を解析的に求めることができた.これより,両者による無秩序状態の違いを検討できるようになった.
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