2004 Fiscal Year Annual Research Report
光に起因する多電子ダイナミクスの量子シミュレーション
Project/Area Number |
14540369
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢花 一浩 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70192789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中務 孝 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40333786)
|
Keywords | 時間依存密度汎関数法 / 量子シミュレーション / 第一原理計算 / 強光子場科学 / 実時間・実空間計算 / 光応答 / 多電子ダイナミクス |
Research Abstract |
強レーザー場中にある分子で起こる多電子ダイナミクスに対して、時間依存密度汎関数法に基づく量子シミュレーション計算を行った。大きな分子では、レーザー電場によるトンネルイオン化率が抑制されることが知られているが、この抑制メカニズムとしてスクリーニング効果の重要性を定量的に示した。配向した分子の高次高調波発生と、それを用いた分子軌道の分析に関する実験的研究が進展しており、それらの過程に関する第一原理的な量子シミュレーションを遂行し、我々が発展させている手法の有効性を示すことができた。また、貴金属クラスターに対して、イオン化や高次高調波発生におけるs電子の振動運動と、それを遮蔽するd電子の運動の解析を行った。 長い鎖状分子の分極率と、交換相関ポテンシャルの非局所性に関して、最適化有効ポテンシャルを計算する手法を開発し検討を進めた。その結果、従来分子の長さにより局所密度近似が破綻することが指摘されていたが、長さとともに結合長が重要であることを明らかにした。 フェルミ粒子として共通する原子核の光応答に関して、実時間応答計算の結果をまとめた。吸収境界条件を用いることによって、複雑な密度汎関数を全て用いた場合の応答計算を遂行し、時間に関して奇の振る舞いをする項の重要性を示した。中性子過剰な変形核の光応答計算を行い、軽い核では変形によるピークの分離と、連続状態との結合による幅の大きさが拮抗し、広い崩壊幅を持つ光吸収となることを示した。
|
Research Products
(4 results)