2002 Fiscal Year Annual Research Report
高次元微斜面描像に基づく多層脂質二重膜系の相分離ダイナミックスの研究
Project/Area Number |
14540370
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 隆夫 群馬大学, 工学部, 教授 (80200814)
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Keywords | 多層脂質二重膜 / 長波長揺らぎ / 高次元微斜面描像 / 膜間隔分布関数 / 非交差条件 / 非平衡熱力学 / Monte-Carloシミュレーション / 自己無撞着調和近似 |
Research Abstract |
(1)多層脂質二重膜を高次元微斜面描像で記述することにより長波長揺らぎが従来言われているような座標の二階微分で記述されるようなものではなく、座標の一階微分で記述されることを解析的に導出すると共にMonte-Carloシミュレーションで確認した。 (2)座標のn階微分で記述される一般化された膜描像という考え方を考案し、これに基づき自由エネルギー導出のための近似である自己無撞着調和近似におけるrelevant項の決定方法を確立した。くわえて、微分の階数nと非交差条件による自由エネルギー増加分の膜密度依存性の関係を明らかにした。 (3)非交差性のみを考慮した多層脂質二重膜の膜間隔分布関数を高次元微斜面描像とMonte-Carloシミュレーションで解析し、その一般型を求めた。それを用いて、エネルギー的な膜間相互作用の自由エネルギーに及ぼす影響を定量的に解析する方法を確立した。 (4)膜を水分子等低分子が透過する効果の膜のダイナミックスに及ぼす影響を考えるため、低分子の膜透過のダイナミックスを非平衡熱力学を用いて考察した。得られた知見を種々のmicrocapsule系に適用する事でダイナミックスの妥当性を確認した。 (5)多層脂質二重膜系を二次元配向紐系にマップする異方的粗視化法について考察した。マップに必要な変換関数を得ることができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] C.P.Chang, T.Yamamoto, M.Kimura, T.Sato, K.Ichikawa, T.Dobashi: "Release characteristics of an azo-dye from poly (ureaurethane) microcapsules"Journal of Controlled Release. Vol.86. 207-211 (2003)
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[Publications] T.Sato, S.Shibako, T.Yamamoto, K.Ichikawa, T.Dobashi: "Permeability of azo-dye through poly (ureaurethane) microcapsule membrane"Journal of Membrane Science. Vol.213. 25-31 (2003)
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[Publications] T.Furukawa, S.C.Hung, T.Yamamoto, K.Terao, K.Ichikawa, T.Dobashi: "Effect of Affinity between Core Medium and Wall Membrane on Permeability of Dye through Microcapsule Membrane"Transactions of the Materials Research Society of Japan. (掲載予定).
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[Publications] C.P.Chang, M.Kimura, T.Yamamoto, T.Dobashi: "Effect of Dispersing Medium on Permeability of Microcapsule Membrane"Colloids and Surfaces B : Biointerfaces. (掲載予定).