2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540388
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小屋口 剛博 東京大学, 地震研究所, 教授 (80178384)
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Keywords | 火山噴火 / 数値モデル / マグマの上昇 / 火山噴煙 / 火砕流 / 混相流体力学 |
Research Abstract |
本研究では,「噴火様式の定性的な性質と噴火の条件の関係」をモデル化するために,火山噴煙のダイナミックスと火道中のマグマの上昇についてモデリングを行った.具体的には 1.火山噴煙の形成と火砕流の形成のダイナミックスを再現する, 2.火道の流れと気泡の核形成・成長の連成問題を定式化する,の2課題の研究を推進した. 1については,乱流混合を正確に再現するモデルの構築を行った.具体的には,軸対称2次元モデルと3次元モデルの結果を室内実験結果と比較することによって,噴煙のような乱流ジェット(乱流プリューム)における混合については,流れの3次元的揺らぎおよび大規模な渦から小規模な渦へのエネルギー輸送を再現することが本質的であることを示した.さらに,その乱流混合は,3次元の座標系を用い計算スキームの空間積分を3次精度まで上げることによって数値的に再現できることを示した,また,噴煙と大気が混合した場合の密度変化に関しては,混合比に合わせて比熱比を変えるという手法によって解決した.その結果,火山噴煙のダイナミックスの物理的本質を失わずに非定常性や3次元性まで扱える拡張性の高い火山噴煙数値モデルを構築することに成功した. 2については,セルモデル(気泡の周りに球対称に粘性流体または粘弾性体の殻がついたセルの集合体として気泡流を近似するモデル)を導入することによって,気泡サイズのスケールをもつ微視的過程と巨視的な火道流を連立させたモデルを定式化することに成功した.その結果,気泡の核形成過程や成長過程,さらにマグマの破砕過程を解明する手がかりを得ることができた.具体的な成果としては,マグマの破砕様式がマグマの粘性に強く依存することが明らかになった.また,マグマの上昇条件によって,気泡の核形成のタイミングや回数が変化し,それが火砕物中の気泡径分布を支配するという結果を得ることができた.
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Research Products
(3 results)