2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540409
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
高橋 劭 桜美林大学, コア教育センター, 教授 (20197742)
|
Keywords | 豪雨機構 / 雷 / 巨大積乱雲 |
Research Abstract |
本研究は過去12年間にアジアモンスーン域13箇所で飛揚した208台のビデオゾンデデータを解析し、アジアモンスーン雨降水機構についての総合的研究を行うことを目的としている。本年度はオーストラリア-ダーウイン北方のメルビル島で行ったMCTEXプロジェクトのデータ解析を主目的とした。年度初めの1ヶ月間オーストラリア気象局を訪問、MCTEXコーデネータであったT.Keenan氏と共同研究を行った。Hector雲に飛揚した7台のビデオゾンデの軌跡を偏波レーダで得られた3次元レーダエコー図に重ね合わせ、降水粒子の形状、質量、数密度、電荷を記載した合成図を作成、降水粒子成長過程及び空間電荷分布について考察した。降水機構は下層、上層2段レベルで行われていて下層では凍結氷成長、上層では強い上昇気流による小凝結核の活性化、それらの凍結による氷晶化が知られ、霰、氷晶成長が激しく、氷晶空間濃度は1cc当り10個にも達した。強い対流域でこれらの霰が落下、下層の過冷却水滴を凍結、OC層での凍結氷成長をとうして強力な豪雨形成が行われていた。一方空間電荷分布はスコールライン前面での凍結氷正電荷、主対流域上方での霰、氷晶の負電荷、後方アンビルでの小氷晶の正電荷が知られ、通常の垂直型電荷分布と異なり水平に大きく傾いた電荷構造を示す事が初めて示された。解析の結果、当研究者が提出した着氷電荷発生機構によりスコールライン内空間電荷分布が良く説明された。これらの結果はフランス、ヴェルサーユで行はれた国際大気電気学会で発表、多くの研究者が強い関心を示した。結果は論文に纏めJ.Geophys.Res.に投稿した。豪雨機構については2004年夏、イタリーで開催される国際雲物理学会に発表する。すでに口頭発表の内示があった。
|
Research Products
(1 results)