2002 Fiscal Year Annual Research Report
海水中塩分測定用標準のトレーサビリティに関する研究
Project/Area Number |
14540413
|
Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
青山 道夫 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (80343896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 健 気象庁気象研究所, 海洋科学技術センター・海洋観測研究部, 研究員 (80359158)
|
Keywords | 塩分 / トレーサビリティ / IAPSO標準海水 / 相互比較実験 / 塩化カリウム標準液 |
Research Abstract |
最近のIAPSO塩分標準海水の相互比較実験を行い、過去に公表されているIAPSO塩分標準海水のOFFSET Tableに接続し、そのTableをバッチP142まで延長した。また、日本側で行った比較実験とまったく同じ並びで7つのバッチ計55本についてウッズホール海洋研究所でも比較実験を行い、日本側で行った実験結果と比較した。独立にそれぞれの手法により行った比較実験によりえられたIAPSO塩分標準海水のOFFSETの値が、塩分0.0000-0.0005の差に収まり比較的良く一致していることが確認されたので、得られているOFFSET値が妥当であること検証された。これは、2ヶ所以上で相互比較実験を継続して行うことにより、塩分標準のトレーサビリティを塩分0.001の水準で確保することができることを示唆している。 将来にわたって、塩分の標準海水のトレーサビリティを確保するため、高純度塩化カリウムによる定義溶液の作成とメーカーや試薬のバッチ間の差を調べる実験を、最近のIAPSO塩分標準海水の相互比較実験と並行して行った。これにより統計的に処理できる数の塩化カリウム標準液を作成できるようになった。 現実の海洋データへIAPSO塩分標準海水のOFFSETを適用することの適否を調べるために、日本周辺の高精度の塩分データを収集し、解析を開始した。その結果、西部北太平洋亜熱帯域の深層での、10年で塩分0.005程度の塩分変動を研究するには、IAPSO塩分標準海水のOFFSETを適用する必要があることを見出した。
|
Research Products
(1 results)