2002 Fiscal Year Annual Research Report
サブストームに伴うPi2脈動の発生・伝播過程に関する研究
Project/Area Number |
14540415
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
糸長 雅弘 山口大学, 教育学部, 教授 (60213104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 茂 気象大学校, 助教授
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Keywords | サブストーム / Pi2脈動 / 磁気圏 / 電離圏 / MHD波動 / 発散ホール電流 / プラズマ圏空洞共鳴 / グローバルシミュレーション |
Research Abstract |
サブストームに伴うPi2脈動の発生・伝播過程を解明するため,磁気圏MHD波動の理論的な伝播モデルを構築した。これはItonaga et al.[2000]で与えられた沿磁力線電流(FAC)の発生を記述する波動方程式に基づく伝播モデルを発展させたものであるが,特に重要なのは準振動的カレントウェッジの形成に発散ホール電流の効果を取り入れたことである。圧縮波とアルフベン波の結合のため,電離層ホール伝導度のFACに対する効果を正確に見積もることは難しいが,電離層誘導電場を実効インダクタンスと電離層電流の時間微分の積として表現することにより[Yoshikawa et al.,2002],FACの水平方向の拡がりが100kmよりも大きければ,効果を十分正確に見積もることができるようになった。今後,電離層誘導電場の新たな表現を磁気圏MHD波動伝播や磁気圏電離圏結合の3次元グローバルシミュレーションに適用し,非現実的な取り扱いしかできなかった電離層の効果を十分現実的なものにしていく予定である。 磁気圏MHD波動伝播の3次元グローバルシミュレーションにプラズマポーズの経度依存性を取り入れた[Fujita and Itonaga,2003]。中低緯度Pi2脈動の観測から,Kosaka et al.,[2002]はPi2脈動のパワーが最大になる周波数に地方時依存性があることを示した。彼らはこれをプラズマポーズに励起される表面波に帰したが,我々のシミュレーションの結果はプラズマポーズの非対称性に起因するプラズマ圏空洞共鳴振動振幅の地方時依存性が原因であることを示している。今後,3次元グローバルシミュレーションの精度をさらに高め,表面波とプラズマ圏空洞共鳴振動のどちらが主因であるのかを解明する予定である。
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Research Products
(1 results)