2004 Fiscal Year Annual Research Report
サブストームに伴うPi2脈動の発生・伝播過程に関する研究
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14540415
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
糸長 雅弘 山口大学, 教育学部, 教授 (60213104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 茂 気象大学校, 助教授
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Keywords | サブストーム / 磁気圏 / オーロラ爆発 / 沿磁力線電流 / アルベン波 / 電離層 / 準振動的カレントウェッジ / Pi2脈動 |
Research Abstract |
サブストームの開始に伴って磁気圏におけるオーロラ爆発領域の東西両端で生成された沿磁力線電流(FAC)は,アルベン波によって磁力線沿いに運ばれ,極域電離層で反射される。その結果,両半球電離層間でアルベン波のバウンシングが生じ,オーロラ爆発領域の東西両端に逆位相の準周期的な磁力線振動が現れる。これらの磁力線振動に伴うFACは,電離層電流と尾部横断電流により閉じられる。このようにして,1〜2分の時間スケールをもつ準振動的なカレントウェッジが形成され,Pi2脈動は主としてこのウェッジ電流により生み出される。 1.昼側の地上で観測されるPi2脈動は,準振動的ウェッジ電流の昼側半球電離層への張出しに帰せられる。従って,位相差はほとんどなく,振幅の赤道エンハンスメントが起こる。 2.準振動的ウェッジ電流の尾部横断部分は,速い磁気音波を放射する。 3.放射された速い磁気音波が磁気圏を伝播する際に,媒質の非一様性と磁力線の曲率の効果のために,アルベン波が次々に励起される。夜側高緯度地上で観測されるPi2脈動は,準振動的ウェッジ電流と励起されたアルベン波の電離層への入射に帰せられる。 4.アルベン波の電離層への入射に伴い,夜側高緯度地上で観測されるPi2脈動の振幅は最大になる。アルベン波の電離層への到達は同時ではないため,最大振幅に時間差が生じる。 5.プラズマポーズでは,アルベン速度の急峻な勾配があるため,プラズマポーズ付近の地上でPi2脈動の振幅に第2のピークが現れる。また,周囲との勾配の符号の導いから,プラズマポーズを横切って,180度の位相差が生じる。 6.プラズマ圏の内部では,速い磁気音波の波面が地球に巻き付くような形になるため,アルベン波はほとんど励起されない。従って,夜側低緯度地上で観測されるPi2脈動は速い磁気音波の電離層への直接入射に帰せられる。
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Research Products
(1 results)