2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540418
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
宮岡 宏 国立極地研究所, 情報科学センター, 助教授 (10150046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 秀 国立極地研究所, 研究系, COE非常勤研究員
岡田 雅樹 国立極地研究所, 情報科学センター, 助手 (40270425)
|
Keywords | オーロラ微細構造 / 狭視野イメージャー / 局所的電場構造 |
Research Abstract |
本年度は、3年計画の初年度としてオーロラの微細構造に関する従来の観測ならびにその理論的解釈を整理し、本研究課題にて実施すべき研究方針を検討した。その結果、オーロラ動態解析のためのグラディエント法によるオプティカルフロー検出アルゴリズムの改良を進めるとともに、その妥当性の検証には運動を駆動する局所的電場構造との直接比較が不可欠であるとの認識に立ち、電離圏内の磁力線方向に高度・時間分解能のすぐれたEISCATレーダーを用いて、オーロラ微細構造(数km以下)内の電子密度、電子・イオン温度、電場(3次元イオン速度より算出)を同時観測する特別共同観測を立案、実施した。 1.速度場解析アルゴリズムの開発:現状のグラディエント法によるオプティカルフロー検出アルゴリズムの適用限界を見極め、改良方法を探るため、ケオグラム法(任意の1次元スリット上の輝度プロファイルを時系列データとして抽出・スタック・表示)解析により、解析精度の定量的比較を行った。オーロラの運動速度に比べて輝度の時間変動が大きい場合には速度ベクトルの検出エラーが大きく、適用が難しいことが判明した。 2.EISCATレーダーを用いた特別共同観測:名古屋大学太陽地球環境研究所グループと共同し、2003年3月1日〜5日にトロムソ、キルナ、サダンキラの3局のEISCAT/UHFレーダーを用いた高時間分解能(0.44秒)の電離圏観測と狭視野オーロラカメラによるオーロラ微細構造の同時観測を行い、3夜の観測で狭視野カメラによるオーロラ微細構造ならびにISレーダーによる高分解能電離圏の同時観測に成功した。現在データ解析中であるが、今回試みたarcl-uモード(計30時間)により、初めてオーロラ微細構造内外の電場と運動を直接比較することが可能となり、オーロラ動態解析アルゴリズムの定量的検証に大きく寄与することが期待される。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masaki Okada: "Simulation techniques of electromagnetic environment in the vicinity of a spacecraft"Proc. of the 23rd international symposium on space technology and science. 2002-b-30. 385-388 (2002)
-
[Publications] 村田健史: "太陽地球系物理観測の分散データベースの設計と評価"情報処理学会論文誌. Vol.43,No.SIG12. 115-130 (2002)