2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540420
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
志村 俊昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (70242451)
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Keywords | 西南日本 / 棚倉構造線 / 羽越地域 / 変成作用 / ゼノリス / 領家帯 / 部分融解 / 白亜紀 |
Research Abstract |
日本列島の地体構造区分において,西南日本に見られる東西性の帯状配列は棚倉構造線で途切れ,東側には連続しない.羽越地域には,白亜紀〜古第三紀深成岩類や足尾帯の堆積岩類を主とした先新第三紀基盤岩類が広く分布しているが,この地域が西南日本などの地体構造区分のうえでどこに対比されるのかについては,未だ議論の渦中にある.羽越地域の地体構造区分上の対比が進まなかった理由の1つとして,当地域の変成作用についての情報が乏しかったことが挙げられる.そこで本研究では,この地域に断片的にみられる変成岩ゼノリスなどの情報を解析し,当地域の変成履歴を解明する事を目的とした. 今年度は,野外調査では飯豊山地の門内沢地域の補充調査を行った.室内作業では白金器具を整備し,化学分析関連の環境整備,特にFeOの滴定法の精度向上やICP-MSでのアルカリ融解法のルーチンワーク立ち上げを行った.これにより,変成作用の進行に伴う酸素分圧変化や,部分融解による物質収支の検討が出来るようになった. さらに,下部地殻性の広域変成作用と,ゼノリス包有母岩による接触変成作用とを区別するため,島弧地殻断面の典型例である日高変成帯との比較検討も行った.この成果は国際誌に投稿し印刷中のものが1編と,国内誌に投稿中のものが1編である. これまでの研究により,羽越地域の変成岩ゼノリスの多くは,この地域の地殻深部に伏在する広域変成帯起源であることが明白になった.また,それは領家帯に対比される事が明白になった.これにより,西南日本〜羽越地域〜シホテアリンの対比が可能になり,白亜紀〜古第三紀の東アジアのテクトニクスに重要な貢献となった.この成果は国内誌に投稿中である.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Variety and genesis of the pyroxene-bearing S- and I-type granitoids from the Hidaka Metamorphic Belt, Hokkaido, northern Japan2005
Author(s)
Shimura, T., Owada, M., Osanai, Y., Komatsu, M., Kagami, H.
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Journal Title
Trans.R.Soc.Edinburgh Earth Sci. (印刷中)
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