2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540426
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
狩野 彰宏 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60231263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 隆実 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00090548)
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (60252897)
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Keywords | トゥファ / 古気候解析 / 微量元素 / 安定同位対比 / 降水量 |
Research Abstract |
今年度は,既に試料を採集していた岡山県新見市と中国山西省に発達する現世トゥファ・古トウファに加え,新たに岡山県高梁市などで採集した現世トゥファの分析を進めた.具体的には,特に縞状組織の発達の良い試料について,安定同位体比と粘土含有量の高精度分析を行い,気象記録との対応を考察した. 採集した堆積物は各々半分に切断し,1つを樹脂で固め,試料の研磨薄片を作成した,研磨薄片は組織の観察と写真撮影を行った後で,X線マイクロプローブを用いて,CaやSiなどの元素含有量の線分析に用いた.さらに,残りの半分の試料は縞状組織に平行な面で0.2mmごとに削り,安定同位体比の分析を行った.得られた酸素同位体比変動曲線は水温の季節的変化に依存したサインカーブを描くので,高解像度の時間軸を提供する. 研究成果の多くは国内外の学術誌で公表することが出来た.特に,新見市の試料で得られたSi含有量と降水量記録の良好な対応関係は,国際的に評価の高いGeology誌に掲載されている.この試料では,総降水量50mm以上の降水イベントの90%が記録され,酸素同位体曲線から見積もった降水イベントの時期と実際の時期とのずれが1か月以内に収まる.この様な,正確かつ高解像度の降水記録は,他の研究対象からは得られないので,トゥファの古気候研究における重要性が高まった.また,山西省の古トゥファについても,酸素安定同位体比と第四紀の気候を関連づけることが出来た. なお,岡山県高梁市での研究成果は,学術雑誌に投稿中である.
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Research Products
(3 results)