2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元地質構造の図形要素を抽出する方法とGISやCADへ出力する形式の開発
Project/Area Number |
14540430
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩野 清治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40047387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升本 眞二 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40173760)
ベンカテッシュ ラガワン 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (30291602)
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Keywords | 地質構造 / 位相数学 / 境界線 / 境界面 / 地質関数 / 近傍関数 / GIS / CAD |
Research Abstract |
3次元空間Ω内に分布する地質体は,面によって2分割された部分空間の共通集合の和集合(join of meets)の形式で表現できる。この地質体と面の関係を「地質構造の論理モデル」といい,面の具体的形状を与えると,空間内の各点に地質体を対応づける関数(地質関数)が矛盾無く定義できて,地質体の空間分布すなわち「3次元地質モデル」が定まる。本研究では位相数学の基礎概念を導入して,3次元地質モデルを構成する地質境界線や地質境界面などの図形要素を抽出するための基礎理論とアルゴリズムを研究した。その結果,3次元地質構造の基本要素である地質境界線や地質境界面などの図形要素を抽出するための基礎理論と,図形情報を空間情報処理のプラットフォームとしてのGISや設計の基本ツールであるCADシステムに直接入力できる形式で提供するアルゴリズムを具体化できた。本年度を含むこれまでの研究成果は次の通りである。 ●地質構造の論理モデルでは,領域の直和分割となるように地質体の分布域が表現される。各地質体の閉包(境界点を追加したもの)という概念を導入すると,それぞれの共通部分として地層境界線や地層境界面を数学表現できる。これが地質境界線や地質境界面を考える上での基礎理論となる。 ●地質体の閉包の共通部分として定義される地質境界面を,GISのマスク機能を活用してラスター画像で表示するアルゴリズムを開発した。 ●地質関数の概念を拡張して,空間内の各点にその点の直上・直下にある地質体の対を対応づける関数(拡張地質関数)を新たに定義した。この関数により空間内の点が地質体内部の点であるか,地質境界面上の点であるかを判別することができる。その応用として,地質体の分布を色分けするだけであった地質図作成プログラムGeomodelに地質境界線を描く機能を追加することができた。 ●拡張地質関数の概念を拡張して,空間内の任意の点に対して,その近傍にある地質体の組を対応づける関数(近傍関数)を新たに定義した。この関数により,空間内の点が地質体内部の点であるか,境界面内の点であるか,境界線上の点であるかを判別することができる。近傍関数を活用して,空間を2分割する面を表現する格子データ(DEM)を細分した3角メッシュ毎にその内部を通る境界線を抽出し,CADシステムに入力可能な形式で提供するアルゴリズムを開発した。
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Research Products
(6 results)