2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540433
|
Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
熊代 浩子 (岡崎 浩子) 千葉県立中央博物館, 地学研究科, 上席研究員 (10250135)
|
Keywords | 更新統 / 下総層群清川層 / 氾濫原堆積物 / 陸生脊椎動物化石産出層 |
Research Abstract |
更新統の河川堆積物の調査をおこなった.調査地点は千葉県袖ヶ浦市吉野田で,中部更新統下総層群清川層の露頭である).最近,調査地点において,シカ,カメ,ナウマンゾウなど多数の陸生脊椎動物化石や淡水生貝類化石および植物化石などが発見された(兼子ほか,2000;平山ほか,2002).これらの化石を含む地層は河川の氾濫原堆積相(厚さ約1m)で,層相から大きく分けて3つの堆積ユニット,下位よりA,B,Cの3つのが認められた.ユニットAは植物片を多く含む塊状粗粒シルト層からなる.ユニットBは淘汰の悪い泥質砂層からなり,木片や陸生脊椎動物の骨片・歯が密集する.この泥質砂層には砂層がレンズ状に複数挟まれ,平行層理や級化層理,粗粒デューンなどが認められる.ユニットCの下部は塊状シルト層で,上部はシルト層と極細粒〜細粒砂層との砂泥互層からなる.このユニット中には原地性を示すカメ化石や淡水生貝類化石などがみられる.これらの堆積相と化石群から,ユニットA〜Bは,河川の増水時に氾濫原に浸入してきた洪水堆積物で,自然堤防や堤防決壊堆積(クレバススプレイ)などを形成していたと考えられる.ユニットCは,その後,氾濫原に形成された湖沼の泥底とそこに氾濫時に流入した砂層の堆積物より構成される. 調査地点では,トレンチを掘り,これらの層相の3次元分布を観察した.
|
Research Products
(1 results)