2002 Fiscal Year Annual Research Report
北西太平洋白亜系古地磁気層序の確立-根室層群・下部蝦夷層群を例として
Project/Area Number |
14540439
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小玉 一人 高知大学, 海洋コア研究センター, 教授 (00153560)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 康成 国立科学博物館, 地学研究部, 研究官 (30270408)
|
Keywords | 白亜系 / 古地磁気層序 / 根室層群 / 蝦夷層群 / 北海道 |
Research Abstract |
本年度は、北海道東部の厚岸-浜中-根室地域に分布する根室層群を対象に、古地磁気試料採取と地質調査、および予察的測定を行った.主要調査層準は、下位の尾幌川層から厚岸層(岡田・平,1984)に至る層厚約千メートルの泥質岩層である.古地磁気試料採取ルートはすべて、露出状態の良い海岸線沿いで、すでに本研究分担者(重田)によって予備踏査が行われたルートから選択した.また、同ルートではすでに炭素同位体比測定も行われている(成瀬、私信).これらの層準からは、Masstrichtian階を示すアンモナイト(Matsumoto、1967;成瀬ほか、2000)が産出し、サハリン-北海道の上部蝦夷層群や淡路島の和泉層群に対比されている(成瀬ほか、2000).同層群は、蝦夷層群と異なり火山性砕屑物の混入が多いため、強度が強く安定な残留磁化を保持していることが期待されていたが(Fujiwara & Kanamatsu,1990)、これまでの予察的な測定結果は、これらの予想を裏づけるものであった.これらの予察的研究結果をふまえ、H15年度以降の試料採取地域を選定・討議するため、他大学の関連研究教官・大学院生を交えた研究討論会を行った.その結果、H15年度には残された試料の測定を完了するとともに、特にCampanian/Masstrichtian境界を含む上部Masstrichtian階相当層準を対象とした補足試料採取を行う予定となった.具体的には、羽幌地域の羽幌川支流など複数のルートに分布する上部蝦夷層群である.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kodama, K.: "Paleomagnetism of mid-Cretaceous red beds in western central Kyushu Island, Southwest Japan : paleoposition of Cretaceous sedimentary basins in the eastern margin of Asia"Earth and Planetary Science Letters. 201. 233-246 (2002)
-
[Publications] 小玉一人: "ロシア・サハリン州南部ナイバ川(内淵川)流域に分布する上部白亜系の化石層序と古地磁気層序"地質学雑誌. 108. 366-384 (2002)