2003 Fiscal Year Annual Research Report
シリカ包摂化合物の結晶構造及びゲスト分子吸蔵機構の研究
Project/Area Number |
14540446
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木原 國昭 金沢大学, 理学部, 教授 (70019503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 正幸 金沢大学, 理学部, 教授 (40183032)
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Keywords | シリカ鉱物 / メラノフロジャイト / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
1.ラノフロジャイトの400Kにおける解析精度は普通の意味では十分なレベルになっているが,包摂分子の空隙中での挙動についての知識は安定性などを考える上で重要であるにも関わらず,十分な精度の解析には難航した.回折測定精度と解析プログラムの双方の進歩が課題として残った. 2.ラノフロジャイトでは包摂分子が弱い力でシリカ骨格構造と結合していると考えられるので,分子動力学シミュレーションでは,多様な結合方式を取り扱えるようにする必要があった.またフレキシブルなシリカ骨格構造の計算機シミユレーションは世界的に見ても成功していないので,シリカ包摂化合物の計算機シミュレーションではそれら2つを可能にする必要がある.そのため,包摂分子を持たないシリカの一つトリディマイトを取り上げ,まず骨格構造のシミュレーションを行なながら,方法の確立,ポテンシャルパラメタの検討を行なった.まだ公表の段階には到っていないが,部分的(出現する相の幾つか)には成功していると思われる. 3.ゲスト分子としてCH4,CO2,N2,NO, H2O各分子を含むシリカ包摂化合物の水熱合成は,出発物質をパイレックスガラスに封入し,ステンレス製テストチュウブに密封した状態で長時間加熱するという水熱合成法による実験で合成できる事が明らかになった. 4.ゲスト分子とシリカフレームワークの相互作用の研究は,この物質の物性を制御する上で重要な情報を与えるという観点から重要であり,計算機シミュレーションとは別に幾つかの実験的研究が考えられる.その一つとして高温型領域でかつ加圧条件下でゲスト分子の運動を抑制して回折実験を行う事が考えられる.そのために実験装置としてダイヤモンドアンビルを導入したが,石英の標準結晶による調整実験を行って,温度圧力等の実験条件の確立のための作業をしており,研究期間内では最終段階に到らなかった.
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