2002 Fiscal Year Annual Research Report
エクロジャイトの造岩鉱物学的研究から見る地球深部の元素循環
Project/Area Number |
14540448
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎並 正樹 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20168793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70183689)
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
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Keywords | 変成作用 / エクロジャイト / 物質循環 / 沈み込み帯 / 造岩鉱物 / Dissakisite / Hydroxylian pseudorutile |
Research Abstract |
(1)中国・蘇魯超高圧変成帯に産するざくろ石-レールゾライト中より、Crに富むdissakisite(allaniteのMg置換体)を見いだし、その記載を行った。このCr-dissakisiteの組成式は、(Ca_<0.86>Na_<0.03>)_<0.89>(REE_<0.86>Th_<0.04>)_<0.90>(Mg_<0.98>Fe^<2+>_<0.20>Fe^<3+>_<0.21>Cr_<0.36>Al_<1.39>Ti_<0.04>)Si_<3.03>O_<12>(OH)であり、Ce_2O_3,MgOおよびCr_2O_3量は、それぞれ13.1、7.3および5.4wt%に達する。このdissakisiteの最大6配位席であるM(3)席は、Mgによって占められていることから判断して、CrはREEMgCa_<-1>Al_<-1>およびCrAl_<-1>の連結置換によってM(1)席を占めることが明らかとなった。Dissakisiteは、沈み込み帯の超苦鉄質岩において、希土類元素の貯蔵相として重要である。 (2)カメルーン産のアダメロ岩より、これまでほとんど報告がなくその鉱物学的性質が明らかではなかった、含水シュードルチルを、磁鉄鉱を取り巻く熱水変質鉱物として見いだした。そして、その固溶体組成の特徴、X線回折および赤外分光データを報告した。 (3)四国東部・高越地域には、角閃石として藍閃石を含むエクロジャイトとバロワ閃石を含むエクロジャイトが産する。ざくろ石中および基質に産する角閃石を含む鉱物共生をもとに、両エクロジャイトの上昇時のP-T履歴を論じた。その結果、両岩相とも、ほぼ等温減圧の、P-T履歴が得られ、それは別子地域のエクロジャイトで報告されている時計回りのP-T履歴とは異なっていることが明らかとなった。この違いは、変成帯内での幾何学的な位置と上昇速度の差によって説明される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yang, J.J., Enami, M.: "Chromian dissakisite-(Ce) in a garnet lherzolite from the Chinese Su-Lu UHP metamorphic terrane : Implications for Cr incorporation in epidote-group minerals and recycling of REE into the Earth's mantle"American Mineralogist. 88(in press). (2003)
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[Publications] Tetsopgang, S., Koyanagi, J., Enami, M., Kihara, K.: "Hydroxylian pseudorutile in an adamellite from the Nkambe area, Cameroon"Mineralogical Magazine. 67(in press). (2003)
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[Publications] Matsumoto, M., Wallis, S.R., Aoya, M., Enami, M., Kawano, J., Seto, Y.: "Petrological constraints on the formation conditions and retrograde P-T path of the Kotsu eclogite unit, central Shikoku"Journal of metamorphic Geology. 21(in press). (2003)