2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540456
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北島 富美雄 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (40274427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20260721)
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Keywords | 炭素質隕石 / 隕石母天体 / XAFS分光法 / 炭素質物質 / 変質 / 熱変成 |
Research Abstract |
XAFS分光法は、近年、地球惑星科学への応用が期待されている分光法であるが、軽元素領域での地球外物質への応用は世界的に見てもまだ始まったばかりであり、研究例は僅少である。我々は、硫黄K吸収端のXAFSスペクトルにおける有機態硫黄の吸収に着目し、これと隕石母天体における変質・変成の進行度との関連を検討した結果、以下のことがわかった。 ・CMコンドライトは、主に、無機硫化物、硫酸塩、有機態硫黄(含硫黄複素環を含む炭素質物質)の吸収を示す。 ・CVコンドライト(Allende隕石)、COコンドライト(Ornans隕石)は、上記の吸収のうち、有機態硫黄、硫酸塩の吸収を示さない。これは、隕石母天体の違いを反映しているものと考えられる。 ・CMコンドライトでは、熱変成度の小さい隕石では、有機態硫黄の吸収強度も相対的に大きい。 ・Tagish Lake隕石は有機態硫黄の吸収が相対的に大きく、硫酸塩の吸収が小さいことが特徴である。 ・Murchison隕石を実験室内で加熱し、加熱前後でのXAFSスペクトルの変化を観察したところ、加熱後は、有機態硫黄の吸収も硫酸塩の吸収も消失した。このことから、これらの吸収が熱変成と関連があることが確認できる。 ・スペクトルを波形分離し、定量的な検討を加えた結果、変成度の小さいCMコンドライトは2つのグループに分類できることが示唆された。 以上の結果は、Goldschmidt会議、南極隕石シンポジウムなどの国際学会で発表した。
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Research Products
(3 results)