2002 Fiscal Year Annual Research Report
一重項準安定窒素分子の選択的生成法の確立とその反応過程の解明
Project/Area Number |
14540469
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅本 宏信 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80167288)
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Keywords | 窒素分子 / 準安定状態 / 反応過程 / 水素原子 / 量子収率 / 二光子励起 / メタン / 水分子 |
Research Abstract |
本研究ではa'^1Σu状態等の準安定励起一重項状態の窒素分子の選択的生成法と検出法について検討し、さらにその反応過程を明らかにすることを目的とした。N_2(a'^1Σu^-)のような励起一重項状態の窒素分子は、これまで良い生成法がなく、その重要性が指摘されているにもかかわらず、その反応性はほとんど分かっていなかった。本研究では、レーザー二光子励起法を用いてa^1IIg状態の窒素分子を基底状態の窒索分子から直接生成させ、この状態に隣接するa'^1Σu^-状態を衝突緩和により生成させた。この時、N_2(a')とN_2(a)の濃度比は、184:1とN_2(a')側に偏っているため、平衡時のN_2(a)の濃度の時間依存をレーザー誘起蛍光法で測定することで、N_2(a')の総括反応速度定数を決定することができる。結果は、水素、メタン等多くの化合物において、励起三重項状態のN_2(A^3Σu^+)と比べて桁違いに大きい速度定数が観測された。また、N_2(a')は多くの水素化物と反応してH原子を生成させることが判明した。H_2の場合、H原子の収率は2と考えられる。これをもとに他の水素(重水素)化物からのH(D)原子生成の収率を決定した。H(D)原子の検出は2光子レーザー誘起蛍光法で行った。その結果、CH_4によるH原子生成の収率は0.7±0.2と決定された。CD_4からのD原子生成収率も0.7±0.2と決定され、水分子における収率は0.9±0.2と算出された。水分子については、H原子を放出するチャネルが唯一の主要なチャネルだと考えられる。CH_2D_2、HODから生成されるH(D)原子の収率からH(D)原子の生成は直接エネルギー移動によるものではなく、錯体を経由して進行することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Umemoto: "Effects of Atomic Hydrogen in Gas Phase on a-Si : H and poly-Si Growth by Cat-CVD"J.Non-Cryst. Solids. 299-302, [Pt1]. 9-13 (2002)
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[Publications] H.Umemoto: "Reactions of N_2(a' ^1Σ_u^-)with H_2, CH_4, and their Isotopic Variants"J. Chem. Phys.. 117 [12]. 5654-5659 (2002)
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[Publications] H.Umemoto: "Production Yields of H(D) atoms in the Reactions of N_2(a'^1Σ_u^-) with H_2O, D_2O, and Hnn"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 76 [2]. 291-294 (2003)
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[Publications] H.Umemoto: "Deposition Chemistry in the Cat-CVD Processes of SIH_4/NH_3 mixture"Thin Solid Films. (In press). (2003)