2004 Fiscal Year Annual Research Report
二次元相関偏光赤外-X線回折法によるサーモトロピック液晶高分子の液晶発現の研究
Project/Area Number |
14540477
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
尾崎 幸洋 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00147290)
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Keywords | 赤外分光法 / X線回折法 / 液晶高分子 / 二次元相関分光法 / サーモトロピック液晶 |
Research Abstract |
側鎖型液晶高分子4-(10-undecen-1-oyloxy)4'-(S)-2-methybutoxybiphonyl(P(III))のラングミュアープロジェット(LB)膜の熱的挙動を赤外分光法を用いて調べた。まずP(III)とそのモノマー、4-(10-undecen-1-oyloxy)4'-(S)-2-methybutoxybiphonyl(M(III))のLB膜の作製に成功した。π-A曲線の測定からP(III)とM(III)の崩壊圧はそれぞれ35、11mNlm^<-1>であった。作製したLB膜の赤外透過、反射スペクトルの測定からP(III)の発色団の長軸は基板表面に対してほぼ垂直であることと、一方M(III)のそれは基盤の垂線から傾いていることがわかった。P(III)とM(III)のアルキル鎖はいずれも傾いている。赤外スペクトルの結果からP(III)とM(III)の液晶性高分子は単分子膜だけでなく多層のLB膜中でもかなり高い秩序で配向していることが明らかになった。赤外スペクトルの温度変化はP(III)とM(III)の多層LB膜中でアルキル鎖が異方性を示すことを示唆した。異方性の発現は基板の影響というよりはむしろ液晶高分子のキラルグループの影響と考えられる。おそらくP(III)の側鎖が異方性をより増強しているのであろう。M(III)の多層LB膜はM(III)のそれより熱的に不安定であった。 ナフタレン環のついた強誘電性液晶、FLC-3の電場誘起スイッチング過程の配向ダイナミクスを時間分解赤外分光法を用いて調べた。このスペクトルを解析するために新しい二次元相関分光法である規格化サンプル-サンプル二次元相関分光法(Normalized SS-2DCOS)を提案した。時間分解赤外スペクトルは/37℃のスメクチェックーC^*(Sm-C^*)層で繰り返し速度5kHzの直角電場±40vのもとで偏光角0°から180°の範囲で行った。これらの時間分解赤外スペクトルのnormalized ss-2DCOSを計算し、以下のような結論を得た。(i)C=O基のスイッチングはアルキル基やコア部分のスイッチングよりは2μs秒だけ早い、(ii)コア部のダイナミクスはアルキル鎖のそれに似ている。しかし遅延時間0.5〜16.5μsにおいてC=O基のものとは異なる。
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Research Products
(4 results)