2002 Fiscal Year Annual Research Report
基底関数欠損誤差(BSSE)を排除した分子間相互作用エネルギー
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14540479
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Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
岩田 末廣 大学評価・学位授与機, 構・評価研究部, 教授 (20087505)
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Keywords | 局所射影 / 分子軌道法 / 分子間相互作用 / 摂動法 / 水クラスター |
Research Abstract |
LP SCF MOをゼロ近似として、電子の非局在と電子相関効果を取りこんだ理論を構築し、プログラム開発をした。長年の懸案であった実用的BSSE free計算法を少なくともSCF近似の範囲では作り上げることに成功した。理論的手法としては、まず摂動法を用いる。LP SCF MOは非直交MOである。ゼロ次関数が非直交である時の摂動通常実用的ではない。実用的でかつ化学的・物理的直感に合い、かつ高い近似を保つには、ゼロ次関数を構成する励起波動関数の選択が重要となる。このことは、MO法では励起(ex)軌道の選択と言い換えるとが出来る。「局所射影」の条件の下で、摂動展開の参照SCF電子配置と励起電子配置とは直交し、また、1電子励起と2電子励起電子配置も直交することを示すことが出来る。LP SCF法は、分子間の電荷移動項を取り入れていないことを示すことができる。この効果は、局所的に展開された励起軌道を用いた1電子励起を加えることで取り込むことができると予想される。実際、2次の摂動論を使うプログラムを開発し(LP SnEx MP2)、水クラスターや希ガスに溶媒和された金属イオンなどに応用した結果、この方法で得られたエネルギーは、Couterpoise法で補正されたSCFエネルギーに非常に近い値を持つことを示すことができた。 これらの成果を、7月末にイギリスで開かれる国際会議Exploring Modern Quantum Chemistryにおいて発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tomohiro Hashimoto, Suehiro Iwata: "Theoretical study on the weakly-bound complexes in the reactions of hydroxyl radical with saturated hydrocarbons (methane, ethane and propane)"J. Physical Chemistry A. 106. 2652-2658 (2002)
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[Publications] Shinji Nonose, Tomokazu Taguchi, Fenwu Chen, Suehiro Iwata, Kiyokazu Fuke: "Electronic spectra and structures of solvated NH_4 radicals, NH_4(NH_3)_n (n=1-8)"J. Physical Chemistry A. 106. 5242-5248 (2002)
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[Publications] Masaki Mitani, Osamu Takahashi, Ko Saito, Suehiro Iwata: "Theoretical molecular Auger spectra with electron population analysis"J. Electron Spectrosc. Relat. Phenom.. 128. 103-117 (2003)
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[Publications] Osamu Takahashi, Masaki Mitani, Ko Saito, Suehiro Iwata: "Theoretical Studies on the Molecular Dependence of Bond Dissociation after Core Excitations II. : CH_3CO(CH_2)_nCN, n=0-3"J. Computational Chemistry. 24. 1329-1335 (2003)