2003 Fiscal Year Annual Research Report
定量的ホスト-ゲストキラル認識マススペクトロメトリー
Project/Area Number |
14540495
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤田 正實 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (70029883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
静間 基博 大阪市立工業研究所, 研究員
高井 嘉雄 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20127244)
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Keywords | ホスト-ゲストコンプレックス / キラル認識 / ESIマススペクトロメトリー / エナンチオマー / キラルカルボン酸 / 金属イオン |
Research Abstract |
キラルカルボン酸認識のためのエレクトロスプレーイオン化(ESI)マススペクトロメトリー(MS)は、HPLC法に比べて高速高感度であり、それ故汎用性の高い方法論の確立が待たれている。われわれは本研究において新しい「ホスト-メタル-ゲストコンプレクセーションシステム」を開発し、ESIMSによるカルボン酸類のキラル識別への応用を目的とした。 ホストには2,6-ジ置換ピリジン誘導体のトリアザ含有-キラル非環状ホスト(1)やモノアザ、テトラオキソ含有-キラル非環状ホスト(2)やジアザ、テトラオキソ含有-アキラル環状ホスト(3)などを用いた。メタルには遷移金属ランタニドイオンLa^<3+>を、ゲストにはN-ベンゾイル-バリンなどのN-保護-アミノ酸を用いた。ゲストのエナンチオマー同位体標識法(EL-ゲスト法)を駆使して、競争条件下でESIマススペクトルを測定し、重水素ラベル数だけ離れた2本の「ホスト-メタル-ゲスト(標準ゲスト)」^<+1>ピークの強度比(IRIS値)を求め、各種ホストが有するキラルカルボン酸に対するキラル認識能力を評価した。 その結果、トリアザ含有非環状ホスト(1)は比較的大きなキラル認識能力を有することを見出し、しかもIRIS値はクロスキラル相関を満足し定量的取り扱いが可能なことを見出した。これによりこのホスト1のエナンチオマー同位体標識法(EL-ホスト法)を適用すれば、カルボン酸のee値決定がESIMSで簡単にできることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)