2004 Fiscal Year Annual Research Report
架橋[14]アヌレンを構成単位とするシクロファン型分子の合成と特性に関する研究
Project/Area Number |
14540499
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大和 武彦 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60136562)
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Keywords | 架橋芳香族化合物 / シクロファン / ジヒドロピレン / 渡環相互作用 / C-H-π相互作用 / 電荷移動相互作用 / ホトクロミズム / 分子素子 |
Research Abstract |
本研究では、架橋芳香族化合物に関する研究の一環として、系統的な研究が殆どなされていない14π系架橋[14]アヌレンである10b,10c-ジヒドロピレン環を構成単位とするシクロファン類(10b,10c-ジヒドロピレノファン)に着目し、これらの実用的な一般性の高い合成法を開発し、構造と機能性との相関関係を調べることを目的とするものである。本年度は以下の研究実績を上げることができた。 1.構造・物性に関する研究に関する研究 本研究で合成した化合物は分子内に広がったπ電子空間を有する構造を持つために、CH-π(パイ)相互作用やカチオン-π相互作用に関する研究のモデル化合物になることが十分予想される。そこで、金属原子・有機分子に対する包接機能に関する研究を行った。特に、電荷移動相互作用に基づく機能性の発現、例えばp-ベンゾキノンやポリニトロアレーンとの分子内錯体形成による発色が観察された。さらに、本相互作用を核磁気共鳴スペクトル、可視紫外吸収スペクトルおよびX線構造解析等を用いて、溶液中・結晶状態の両方から調べ、分子素子としての応用への基礎的な情報を得ることができた。 2.光機能性関する研究 10b,10c-ジメチル-10b,10c-ジヒドロピレン環の8,16-ジメチル[2.2]メタシクロファン-1,9-ジエンへの原子価互変異性化によるホトクロミズム能について系統的に調べ、π-共役系を光でコントロールするシステムの構築に成功した。特に、分子不斉を持った10b,10c-ジメチル-10b,10c-ジヒドロピレン類の合成および光学分割に成功した。本物質はエナンチオ選択的ホトクロミック能を示し、CDスペクトルによる構造変化を読み取ることができ、非破壊分子素子としての応用への可能性を明らかにした。
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Research Products
(9 results)