2004 Fiscal Year Annual Research Report
反応場の不斉を活用したエナンチオ選択的フォトクロミック系の構築
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14540503
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
横山 弥生 東京家政学院大学, 家政学部, 助教授 (70142263)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / アミノアントラセン / DNA / 第四級アンモニウム塩 / 蛍光 |
Research Abstract |
本年度の「反応場の不斉を活用したエナンチオ選択的フォトクロミック系の構築」成果は,以下の通りである. 1.アミノアントラセンをもつジアリールエテンの合成 フォトクロミック分子であるジアリールエテンを不斉な反応場であるDNA鎖の塩基対間にインターカレートさせるために、インターカレートしやすい芳香族分子(アミノアントラセン)をベンゾチオフェン環に結合させたジアリールエテンを合成した。 2.アミノアントラセンをもつジアリールエテンのフォトクロミック反応 クロロホルム中の蛍光挙動は、アミノアントラセンをもつジアリールエテンの左半分の分子は非常に強い蛍光を発するが、ジアリールエテンにアミノアントラセンが結合した形では蛍光が数十分の一と非常に弱くなることがわかった。しかし、DNA-QAICが存在すると、蛍光強度は弱いといえどもDNA-QAICが存在しないときに比べてほぼ3倍強くなった。これは、アミノアントラセンの吸収がジアリールエテンの吸収と重なることにより、366nmの光ではどちらの部位も励起されるが、アミノアントラセンからジアリールエテン部位へのエネルギー移動が起きて、蛍光強度が弱くなる。しかし、DNA-QAICが存在すると、アミノアントラセン部位がDNA-QAICにインターカレートされているためにジアリールエテン部位がアミノアントラセンに立体的に接近できなくなり、エネルギー移動が起こりにくくなるため、アミノアントラセンからの蛍光強度が増すと考えられる。これは,ジアリールエテンのアミノアントラセン部位がDNA-QAICの塩基対間にインターカレントされている証拠である。また、溶液中において,DNA-QAICの有無にかかわらず、アミノアントラセンをもつジアリールエテンは、同様のフォトクロミズムを観測した。
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Research Products
(3 results)