2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14540541
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千喜良 誠 中央大学, 理工学部, 教授 (70006328)
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Keywords | DNA / 二核錯体 / 銅(II)錯体 / テトラペプチド / DNAファイバーESR / DNA切断反応 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
1.前年度はヒスチジンを含んだ4種のテトラペプチド(GHGH,RHGH,RGHK,RGHH)の銅(II)錯体を合成し,これらの錯体とDNAとの結合構造をDNAファイバーを用いたESRスペクトルから,またこれらの錯体による酸化的DNA切断反応をアガロースゲル電気泳動により解析したが,本年度はさらにアミノ酸配列の違いがどのように結合構造や反応性に影響するかを調べるために,GHRHやC-末端をアミド化したGHGH,HGHH,およびHGHRを用いて同様な解析を行った。その結果,これらの錯体のうち,HGHHとHGHRは単核錯体を形成するが,GHRHとアミド化したGHGHは中性付近のpH領域ではほぼ前と同じ構造の二核錯体を形成することから,二核錯体形成にはXaaHXaa'Hの配列が重要であることが明らかになった。また,単核錯体となるHGHHとHGHRの銅(II)錯体はRGHK,RGHHとは異なり,アスコルビン酸のみ,また過酸化水素のみでもDNAを切断することから,アミノ酸配列の変化が切断活性に大きく影響することが明らかとなった。これらの結果は日本化学会第84春季年会で発表し,J.Inorg.Biochem.に投稿予定である。 2.1,10-フェナントロリンの2,9位をアミノアルコール(1:CH_2NHCH_2CH_2OH,2:CH_2NHCH_2(OH)CH_2NH_2)で置換した2種類のフェナントロリン誘導体を合成し,それらの銅(II)錯体とDNAとの結合構造や切断活性を検討した。1は溶液中では配位構造の異なる二種類の単核錯体を形成するが,DNAにはフェナントロリン環がインターカレートした単一の錯体種として結合する。2は反磁性の二核錯体を形成し,ESRは観測されないが,酸化的切断活性も加水分解切断活性も共に1に比べて高くなり,とくにその加水分解活性はCu(II)(TACH)とほぼ同程度になることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Hirohama, A.Chiha, M.Chikira: "EPR study of the dynamic behavior of cis, cis-1,3,5-triaminocyclohexane Cu(II) complex on B-form DNA-fibers"J.Inorg.Biochem.. 98・2. 371-376 (2004)
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[Publications] T.Hirohama, M.Chikira: "The effect of acridine moiety for binding and reaction of Cu(II)[1,4,7-triazacyclononane] with DNA"Nucleic Acids Research, Supplement. 3. 91-92 (2004)