2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子の選択的表面修飾法およびインテグレーション法の開発
Project/Area Number |
14540542
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 武司 東京理科大学, 工学部・工業化学科, 助教授 (10224718)
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Keywords | ナノ粒子 / 粒子配列制御 / 金粒子 / 表面修飾 / 分子認識 |
Research Abstract |
ナノサイズ粒子はバルクとは異なる性質を持つことから新規機能性材料への応用が期待されているが、その実現のためには粒子の配列・構造制御が重要である。本年度,半面を炭化水素鎖、もう半面を炭化フッ素鎖の化合物で修飾した金粒子を溶媒中に分散させることにより金微粒子のオリゴマーの作製を試みた。シランカップリング剤で疎水化したガラス板にDioctadecyl dimethyl ammonium chloride (DODAC)のLB膜を一層転写した後、金微粒子分散溶液中に浸し金粒子を吸着させた。さらに,3-Heptadecafluorooctylsulfonylaminopropyltrimethyl ammonium iodide (HFOTAI)水溶液中に漬けて、金微粒子の半面を修飾した。 DODAC処理したガラス基板に金微粒子を吸着させる際、粒子が互いに凝集しない条件を検討した結果、最適条件はAu濃度が1.2×10^<-5>M,浸漬時間が3hであった。HFOTAI水溶液の濃度は10mM、浸漬時間は2hとした。金微粒子へのDODACとHFOTAIの吸着についてはFT-IR測定から調べた。金微粒子分散溶液に浸した系(b)では,DODACのアルキル鎖の吸収バンドが,展開単分子膜系(a)と比べて増大した。この強度増大は,金粒子がDODACに結合したことを示している。一方,HFOTAI浸漬系(C)ではCF_2の吸収バンドが現れたことから,HFOTAIが金粒子に吸着していることがわかった。分散溶媒としては水、クロロホルム、酢酸エチルの3種類を用い、温度は0℃で行った。分散溶媒中にはdimer. trimer, tetramerなどの粒子のオリゴマーが確認された。またオリゴマーの形成が炭化水素鎖同士と炭化フッ素鎖同士の相互作用でのみ起こるのではなく、DODACとHFOTAIの溶媒に対する溶解性も重要な要素であることも解明できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeshi Kawai, Fumie Kawaguchi, Hiroaki Kamio, Kijiro Kon-No: "Infrared External Reflection Spectra of Mixed Monolayers of Sodium Dodecyl Sulfate and Myristic Acid at an Air/Water Interface"J. Oleo Sci., J. Oleo Sci.. Vol.51. 51-55 (2002)
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[Publications] 河合武司, 羽根亮一, 今野紀二郎: "カチオンポリマー水溶液上に展開したアゾベンゼン誘導体単分子膜の光応答挙動"材料技術. Vol.20. 49-54 (2002)
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[Publications] 鎌田俊英, 吉田学, 小笹健仁, 松澤誠, 河合武司: "有機電界効果トランジスタの特性に及ぼす界面の影響"表面科学. Vol.24. 69-76 (2003)