2002 Fiscal Year Annual Research Report
プローブ分子を用いたゼオライト酸性度の絶対尺度の構築
Project/Area Number |
14540551
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
若林 文高 国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究官 (30158589)
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Keywords | ゼオライト / 酸点 / 酸性水酸基 / 赤外分光法 / ルイス酸点 / ブレンステッド酸点 / プローブ分子 |
Research Abstract |
プロトン交換型ゼオライトは、典型的な固体酸触媒であり、かつ分子サイズの細孔を有する特異的な構造をしていることから、反応特異性のある重要な実用触媒のひとつとなっている。その触媒特性の重要な因子である酸性質をキャラクタライズするためにさまざまな手法やプローブ分子が用いられているが、手法やプローブ分子によって異なる結果を与えることが少なくない。そこで、本研究では、研究代表者が近年行ってきた窒素や一酸化炭素などの非常に弱い塩基である小分子気体をプローブ分子として赤外分光法により検討した結果を、従来から用いられてきているアンモニアやピリジンなど比較的塩基性の強いプローブ分子を用いて昇温脱離法や赤外分光法により検討した結果とを比較することを目的とした。 窒素や一酸化炭素などの塩基性が非常に弱い気体分子をプローブ分子とすることにより、ゼオライトのブレンステッド酸点やルイス酸点を識別できる。しかし、その識別感度は異なる。一酸化.炭素は・ブレンステッド酸点に対する感度は非常に高いが、強い酸点であるルイス酸点に対する感度は比較的低い。しかし、窒素は、一酸化炭素より両酸点に対する絶対的感度は低いが、ルイス酸点に対する感度が比較的高いことがわかった。したがって、窒素はブレンステッド酸点とルイス酸点をバランスよく検出することができる。 アンモニアやピリジンなど塩基性が強いプローブ分子として用いると、窒素や一酸化炭素で検出できない弱い酸点も検出し、中には酸性がほとんどないサイトも検出することがあることがわかった。また、窒素は一酸化炭素より塩基性が非常に弱く、非常に強い酸点のみを検出できることがわかった。このような特性を利用して、酸点の酸強度に応じたプローブ分子の選択基準を構築することを検討している。
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