2003 Fiscal Year Annual Research Report
錯体配位子としての金属キレートによる協同効果及び共抽出の発現とその機構の解明
Project/Area Number |
14540553
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 教授 (60142923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 朗 茨城大学, 理学部, 助手 (50344833)
大橋 弘三郎 茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)
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Keywords | 錯体配位子 / コバルト(III)キレート / 希土類金属キレート / 協同効果 / 共抽出 / 多核錯体 |
Research Abstract |
1.トリス(アセチルアセトナト)コバルト(III),トリス(4-イソプロピルトロポロナト)コバルト(III)(Co(ipt)_3)あるいはトリス(8-キノリノラト)コバルト(III)などの配位酸素原子を有するキレートは,錯体配位子となって配位不飽和の希土類金属(III)(RE)やアルカリ土類金属(II)キレートの抽出を著しく増大すること(協同効果)を既に報告したが,本研究では,さらに硫黄を配位原子とするトリス(8-キノリンチオラト)コバルト(III)(Co(qt)_3)とトリス(ジエチルジチオカルバマト)コバルト(III)(Co(ddtc)_3)を合成し,2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)によるLa^<3+>とEu^<3+>の抽出に及ぼす影響を調べた。Co(ddtc)_3では協同効果は非常に小さかったが,Co(qt)_3では酸素を配位原子とするキレートに匹敵する効果が観察され1:1の付加錯体生成定数(β_<s,1>)を決定した。これまでに報告した錯体配位子のβ_<s,1>と比較することによって,付加錯体生成に対する塩基性(水素結合受容性)と立体的構造の影響を明らかにした。 2.金属(III)キレートが強い錯体配位子となることが分かった4-イソプロピルトロポロン(Hipt)を抽出試薬として,La^<3+>,Eu^<3+>,Lu^<3+>の抽出におけるCo(ipt)_3の効果,さらにAl^<3+>や他の希土類イオン(Sc^<3+>,Y^<3+>,La^<3+>,Eu^<3+>,Lu^<3+>)の効果を研究した。上記のHtta系とは異なりHipt系では,コバルト(III)キレートの協同効果は見られなかった。一方,2種類のREを共存させるとそれらの濃度が10^<-5>Mのような低濃度であっても,一方のREに著しい抽出の増大を引き起こすことを見出した。これは極めて大きな共抽出の発現である。共存REの種類,その濃度の依存性より,有機相に抽出されたRE-iptがヘテロな多核錯体を形成するものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Kameta: "Synergistic Extraction of Alkaline Earth Metals(II) with β-diketones in the Presence of Metal(III) Chelates as a Complex Ligand : Co-extraction of Metal(II and Metal(III)"Solv.Extr.Res.Devel.Japan. 10. 149-160 (2003)
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[Publications] J.Ougiyanagi: "Solvent effect on distribution ratio of Pd(II) in supercritical carbon dioxide extraction and solvent extraction using 2-methyl-8-quinolinol"Talanta. 59. 1189-1198 (2003)
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[Publications] N.Kameta: "Co-extraction of Lanthanoid(III) with Various Metal Ions in the Chelate Extraction System with Acetylacetone"Anal.Sci.. (印刷中). (2004)