2002 Fiscal Year Annual Research Report
流量化法に基づく薬物等の分配係数測定システムの開発
Project/Area Number |
14540560
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 秀治 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40207121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 寛 徳島大学, 薬学部, 教授 (20304545)
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Keywords | 流量比法 / 分配係数 / 解離定数 / 電離定数 / フロー分析 / Flow ratiometry / 理論計算 / 分子軌道法 |
Research Abstract |
物質の疎水性(親油性)に関わる定数である分配係数K_Dを正確かつ高い効率で測定できるシステムを開発することを目的に,流量比法の研究を行った。流量比法とは,別々に送液される2液を様々な流量比で合流させ,この比と下流で得られる検出器シグナルとの関係より目的とする情報を得るものである本研究では,自作プログラムをを用いて流量比の制御と計測を行った。得られた主な成果を以下に記す。 1.クロロホルム/水流量比を段階的に変化させ薬物の分配を行うK_D測定システムを構築した。テフロン細管内で分配を行い,相分離後いずれかの相を紫外可視吸光検出器に導いて測定した。9種のモノーまたはジー置換ベンゼンに応用し,文献値と一致するK_Dの値を得た。1測定に要する時間は僅か10分以内である。本法は検量線を必要としない絶対分析法であり正確なK_D測定が期待できる。(印刷中1報) 2.流量比法の理論的正しさを実証するため,パッチ系でクロロホルム/水体積比を変化させて測定を行った。得られたK_Dの値は,流量比法の結果とよく一致した。(掲載済1報) 3.分配現象と密接に関わる解離定数K_aを流量比法の原理に基づいて測定した。弱酸を目的物質とし,緩衝作用が最大となるpH(=pK_a)のごく近傍でのみ滴定が繰り返されるフィードバック制御流量比法を開発し,酢酸やリン酸などのpΚ_a測定へと応用した。1測定に要する時間は僅か26秒であり,分子を取り巻く環境(条件)が刻々と変化する中でのK_a迅速測定が可能になると期待できる(投稿中1報)。 4.実測値との照合を目的に,非経験的分子軌道法によるK_Dの推算を行った。166種の有機化合物に対して推算値と文献値の比較を行い,水素結合能や静電気的相互作用の相違を考慮してK_Dを予測する新たなアプローチを見いだした。(掲載済1報。投稿中1報)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideji Tanaka: "Determination of Distribution Coefficients Based on a Volume Ratiometry Coupled with Shake-Flask Method"Analytical Sciences. 18・42. 485-487 (2002)
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[Publications] Hiroshi Chuman: "Prediction of the 1-Octanol/H20 Partition Coeffcient, Log P, by Ab Initio MO Calculations : Hydrogen-Bonding Effect of Organic Solutes on Log P"Analytical Sciences. 18・9. 1015-1020 (2002)
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[Publications] Hideji Tanaka: "Determination of the Chloroform/Water Distribution Coefficient of Weak Acids by a Stepwise Flow Ratiometry"Journal of Flow Injection Analysis. 20・1(in press). (2003)