2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540562
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中釜 達朗 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50244421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下坂 琢哉 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (40295473)
内山 一美 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40151899)
保母 敏行 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00087321)
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Keywords | マイクロ液体クロマトグラフィー / 光学異性体分離 / 光応答性固定相 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
本研究では、キラリティーの異なる複数のキラルセレクターを同一カラム内に存在させ、光照射により光学異性体の溶出順序を制御することのできる微小カラム(オンサイトキラルスイッチング微小カラム)を開発することを目的とした。 まず、キラリティーの異なる光応答性固定相を球状多孔性シリカゲル(平均粒子径5μm)にそれぞれ化学結合させ、キャピラリー電気泳動用石英キャピラリーに充填したマイクロカラムを開発した。蛍光管を光源として使用したとき、光照射部位を変えることによって光学異性体の溶出順序を制御することに成功した。 次に、より実用的な分離システムにするために分離部、光源および検出部などの検討に着手した。最初に、カラム圧力がより低く送液がより容易なモノリスシリカキャピラリーカラムを分離部に導入するための検討を行なった。その結果、L-リシンアミドあるいはシクロデキストリンを結合させたモノリスシリカキャピラリーキラルカラムの調製法を確立した。次に、単色光源により近く、より少ない発熱量であり、かつ小型で寿命もより長い発光ダイオード(LED)を光源として使用するための検討を行なった。その結果、光照射による保持変化の増大およびその変化に要する光照射時間の大幅な短縮などが達成できた。さらに、高感度、高選択的検出が可能であり、かつスペクトル情報が得られるガスクロマトグラフィー用原子発光検出器(GC-AED)を検出部に導入するための検討を行なった。その結果、研究代表者らがすでに開発していたラジオ波ヘリウムプラズマを励起源とした小型GC-AEDが本分離システムに適用できることを示唆した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中釜, 内山, 保母ら: "アゾベンゼン修飾キラル固定相を用いるマイクロ液体クロマトグラフィーにおける光学異性体の光照射による溶出順序制御"分析化学. 52(10). 959-962 (2003)
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[Publications] T.Nakagawa, K.Uchiyama, T.Hobo: "Monitoring nano-flow rate of water by atomic emission detection using radio-frequency plasma"Analyst. 128(6). 543-546 (2003)
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[Publications] 中釜, 内山, 保母ら: "L-リシンアミド修飾モノリスカラムを用いる配位子交換キャピラリー電気クロマトグラフィーによるダンシルアミノ酸のキラル分離"分析化学. 52(11). 1005-1010 (2003)
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[Publications] 中釜, 内山, 保母ら: "シクロデキストリン固定化モノリスカラムを用いるキャピラリー電気クロマトグラフィーによるダンシルアミノ酸光学異性体分離挙動"分析化学. 52(12). 1105-1112 (2003)