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2002 Fiscal Year Annual Research Report

深海性大型遊泳性底生生物個体の生活圏の調査研究

Research Project

Project/Area Number 14540575
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

太田 秀  東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013591)

Keywords深海 / 底生性魚類 / 海底係留系 / ベイトトラップ / 深海カメラ / 深海トロール / 鰾 / 奇網
Research Abstract

深海性大型自由遊泳性底生生物個体が、餌を求めてどのくらいの生活空間を利用するかを明らかにすることを目的に、深海底に魚肉等の餌を設置し、深海底層流に載った匂いを頼りに遠隔化学刺激で腐肉食生物が蝟集することを利用した。東京大学海洋研究所研究船白鳳丸のKH-02-03次航海で、高知沖の四国海盆水深大陸斜面下部2900mおよび大洋底4900mの2測点でこのための実験を実施した。まず、金属片を埋蔵した魚肉片を装備した海底係留系(流向-流速計付)を設置し、周辺の底生魚類・十脚甲殻類をこれに引きつけておいた。12時間後、この起点の東西南北四方に基線長600mで新たなベイトトラップ(深海カメラ付)4基を海底係留し、24時間後に切離して回収した。コンゴウアナゴ、イラコアナゴ、ソコボウズおよび太平洋域初記録のアシロ類が十分量捕獲された。また、深海カメラおよび深海トロールでこれら魚種の平均密度を測定した。
トラップで捕獲された標本について、金属探知器によりラベルした金属片を探したが、いずれも起点から出発したものではなかった。実験期間中ほぼ半日周期で数cm/秒の底層流があったが、上記魚種の蝟集は底層流の下流から近接したというよりは、先着個体の摂餌音を聞きつけ、360度方位より集まったと考えられる結果が得られた。次年度以降は基線長をより短くした実験の必要性が明らかとなったが、数千mの海底にこれらを等間隔に設置する技術を検討しなければならない。
また、ベイトトラップにより採集された底生魚類について、鰾の奇網(対向流ガス交換器官)の構造研究および体腔内で発泡したガス成分を分析した結果、深い測点で出現した魚類は鰾ガスで浮力を稼ぐことはできず、むしろ肥大した脂肪肝で中層浮力を得て、広域索餌行動を行っていることが示され、その結果を国際誌に投稿した。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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